ノミについて
ノミは犬や猫の体に寄生する代表的な外部寄生虫です。ノミの卵は外気が13度以上あれば孵化します。温暖で湿度の高いところを好み、通常は春から夏に多く繁殖します。ノミは成虫のときだけ動物の体に寄生しますが、卵や幼虫、サナギは犬や猫の体から落ち、寝床やカーペット、部屋の隅などに潜みます。また、飼い主様の洋服や靴についてお家に持ちこまれてしまうこともあり、温かい室内では一年中、繁殖が可能です。当院では、室内飼いの子でもノミの通年予防をおすすめしています。
ノミの被害
犬や猫がノミの成虫に血を吸われると、まず激しいかゆみが起こり、精神的なストレスの原因になります。かゆみ以外にも以下のような直接的・間接的なさまざまな症状が引き起こされます。
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貧血大量のノミに寄生されて血を吸われると貧血をおこす危険性があります。 特に子犬や子猫は注意が必要です。
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皮膚炎かゆみのために強く引っ掻くと、皮膚が化膿する場合があります。また、ノミによる吸血が繰り返されることで、アレルギー性皮膚炎を招くこともあります。激しいかゆみや発疹、脱毛などが起こります。
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条虫症(じょうちゅうしょう)ノミが媒介の感染症で、一般的には瓜実条虫(サナダムシ)です。条虫の卵をノミの幼虫が食べると、条虫はノミの体内で発育します。成虫になったノミを犬や猫がグルーミングなどで口に入れてしまうことにより条虫が小腸に寄生、下痢・食欲不振・嘔吐などの原因になります。ノミの寄生を予防することで瓜実条虫の感染も予防できます。
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人への被害人もノミに刺されると激しいかゆみや湿疹・発疹が起こります。 ひどくなると水ぶくれのような状態になってしまいます
ノミの予防
ノミの寄生が認められた場合、すでに大量に生息している可能性があります。大切な家族の一員である犬や猫がノミの被害で苦しむ前に、しっかり予防してあげるのが重要です。ブラッシング等でノミ・ダニがいないか、異常にかゆがっていないか、脱毛していないかを常にチェックしてあげてください。駆除・予防薬にはスポットタイプ(首の後ろに滴下するタイプ)、スプレータイプ、内服薬、注射、首輪タイプなどがあります。治療の目安は、月に1回の投薬です。犬や猫の布団・マット・タオルなどはこまめに掃除をし、天気の良い日は天日干しで日光殺菌しましょう。部屋は隅々まで念入りに掃除しましょう。ノミは、湿気を好みますから、窓をあけるなどできるだけ部屋の風通しをよくしましょう。
マダニについて
マダニは草むらなどに潜み、動物の体にくっついて血を吸います。動物の耳や顔など薄くてやわらかい皮膚に、口から出ている突起を深く射し込んで血を吸い200倍以上にもふくらみます。大きくふくらんだダニは肉眼で簡単に見つけられますが、無理に引きちぎると突起の一部が皮膚の中に残り化膿することもあります。ダニを見つけても何もせず、すぐにご来院ください。
マダニの被害
マダニが体に寄生すると激しいかゆみを伴います。さらに、原虫(寄生虫)・細菌・ウイルスなどの病原体を媒介し、結果としてバベシア症・ライム病・リケッチア症等を引き起こします。特にバベシア症は犬の赤血球を破壊し、貧血・発熱などの症状が現れ、生命に危険を及ぼす危険性もあるので、しっかりと予防する必要があります。
マダニの予防
マダニは、ペットの散歩時にもらってくる場合がほとんどです。マダニは、主に春から夏にかけて活動しますが、秋から冬でも寄生の可能性はあります。生息していそうな草むらなどには近寄らせないようにし、1ヵ月に1度、定期的に予防薬を投薬してあげましょう。
フィラリアについて
フィラリアは、犬の心臓や肺の血管に寄生する、そうめんのように細長い寄生虫の一種です。犬が、フィラリアの感染子虫を持った「蚊」に刺されるとフィラリア症を発症します。
フィラリア症の症状
フィラリアを放置すると心臓に多数のフィラリアが寄生し、血液の流れが妨げられます。肺に血液中の水分が洩れ出てくるために咳が出たり、おなかに水がたまる、食欲がないなどの症状が現れ、最悪の場合死に至る場合もあります。
フィラリア症の予防
媒介となる蚊が出始めてから1カ月後〜最後の蚊がいなくなって1カ月後まで、毎月1回の投薬でしっかり予防できます。毎年、投薬の前にはフィラリア検査(血液検査)を行います。もし、フィラリアに感染しているワンちゃんに投薬してしまうと、いろいろな副作用が出る場合があるからです。検査と予防で、大切な家族の一員であるワンちゃんの健康をしっかり守ってあげましょう。