ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.100 老犬の介護

なんと!今回のコラムが100回目となりました。
ワラビーグループのコラムを書いて8年が経ちあっという間ですね。
これからも宜しくお願い致します★

さて、今回は「老犬の介護」についてお話いたします。
前回のお話では愛犬との生活をお話いたしました。短いようで長い犬の犬生、色々な経験をさせてくれます。 実は昨年の年末に老衰で旅立った老犬が我が家にいました。名前は「シルフィ」15歳4か月多臓器不全で永眠しました。

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10歳頃から前庭疾患によるふらつき、歩行の困難があり、亡くなる半年前より、一度倒れてしまうと起き上がれない状態になり、排泄には介助が必要でした。
排泄の意識ははっきりしており、鳴いて要求するのですがタイミングがずれるとその場にしてしまう事もあるので介助しての外での排泄は出来るだけこまめに行くようにしていました。

ここで大変だったのは留守にできないという事。徘徊してしまうと、家具等の隙間に入り身動きが取れなくなってしまうのです。挟まってしまう事から骨折等の2次的な事故も少なくありません。
事故を防ぐ為に、少し可哀相かもしれませんが、やわらかい素材のサークル(画像)のようなもので囲ってしまいます。そして、床ずれ防止にふかふかのベッド等を敷き詰めてあげます。
若い時からサークルやキャリーに慣れている子は抵抗なく入る事が出来る上に囲われている事から安心感も持てるようになります。
シルフィは訓練の競技犬として若い事からクレートトレーニングはしっかり入っておりました。
老犬になって痴呆になっていても昔から出来ていた事は感覚で覚えているので抵抗なく受け入れてくれます。 老犬になってからではトレーニングは出来ない事も沢山あります。少しでも要求に応えられるよう若いうちに日頃からトレーニングし安心するスペースを確保しておくと良いでしょう。

そして、オムツも常に必要となってきます。
なかなか立てない、垂れ流しになってしまう事もありますのでこれも慣れさせておく必要があります。
日常でも洋服やジャンパーを着させたりする事は良い事につながりますので、時々着せる事も大切になります。

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現在13歳のトイプードルの「あずき」も耳が聞こえなくなり、オシッコが間に合わなくなってきました。
始めは戸惑っていましたがマナーベルトタイプのオムツは気にせずつけさせてくれるようになりました。
老犬のお漏らしは決して叱ってはいけません、無意識な事が殆どですので明らかにトイレが分からなくなってきている徘徊している、視力、聴力の低下が見られた場合はある程度の粗相は大目にみてあげましょう。

そして、夜にある「吠え」これも介護には必ずつきものとなってきます。こればかりは受け入れてあげるしかありません。特に痴呆症となってくると昼夜問わず永遠に吠えている時もあります。飼い主の方もこの吠えに疲れ果ててしまう事もあるかと思います。
愛犬の状態が安定しているのであれば時々動物病院等で日帰り預かりをしてもらったり、飼い主の休憩時間を作ったり等していきましょう。
介護は信頼のおける動物病院と協力していくのもオススメいたします。

中には急な疾患で突然のお別れが来てしまうワンコもいます、介護のできる幸せ、最後に神様がくれたとっておきの愛犬との時間と思って、多少のわがままも受け入れて楽しく悔いの残らない介護をいたしましょう!