ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.74 犬は動物という事を理解しましょう

イメージ

人間の伴侶として長年生活してきている、犬…。
集団生活をしたり、感情を表現したり、遊んだり、怒ったりと人間の感情と生活が似ています。

この、似ている行動が多いのもあってか愛犬家が年々増えてきています。
そしてそれと同時に捨てられてしまう犬も悲しい事に増えています。

生活していくうちに噛みつくようになったり、吠えてうるさい、落ち着きがなく暴れる、お金がかかる、手入れが大変、子供が嫌い、アレルギー等、飼育していくうちに困った事も多く出てきます。
理想とは違い可愛いばかりではなく、犬を飼うと言うことは楽しいことばかりではありません。

買うことは簡単にできますが飼うことができない飼い主さんが増えて来ているのです。

犬を迎え入れる前に犬はどのような生き物なのか?
どのような行動をするのか?
いい事ばかりではなく、自分の生活していく中で迎え入れて、犬の行動に問題があっても対処できるか?金銭面は大丈夫か?
等じっくり考えてシュミレーションしていくと良いかと思います。

仕事をしている人が、仔犬を迎え入れて初日から丸1日留守番をさせてしまったりする事もあります。
犬は群れを作る動物ですので、知らない場所でひとりぼっちは身の危険を感じてしまって、自分の身は自分で守らなくてはいけないと、思い込むようになってしまう事もあります。
そうなると孤独から吠えるようになったり、飼い主に牙をむいたりする事も出てくると思います。

犬を迎え入れて一歳になるまではできるだけひとりの時間を作ってはいけません。

仕事があるのに犬を迎え入れ、付きっきりになれない場合は犬以外の生き物を飼う方がいいのかと思います。しつけの面でも環境の面でもうまくいかない事があるからです。

子供が産まれる前の家族でも同じで、子供が産まれたら赤ちゃんに手がかかり犬に手が回らなくなってしまうという、ケースも多くあります。
そして、子供を優先したいので飼育放棄するパターンもあるのです。

自分の環境も把握し、犬の行動、性質も理解して迎え入れないと、どんどん捨てられてしまう犬が増え続けてしまいます。

スイスでは犬を迎え入れるのに免許がないと迎え入れる事ができません。環境が十分安定していて犬の性質を知っている人じゃないと迎え入れる事ができないのです。
それだけ犬との共存は容易なものではないという事を分かっていただきたいと思います。

犬は感情表現が豊かな動物です。
ハムスターだったり、小鳥とは訳が違います。
「狩猟もする動物」という事を忘れずに迎え入れると良いでしょう。