これらは整形外科の疾患の可能性が疑われます。
整形外科は骨や関節を扱う分野で、歩行を代表する運動器への異常を呈します。歩き方や立ち上がり方、散歩への関心度合いの低下などに症状がでることが多く、日常のふとした異常を見逃さないようにしましょう。
好きだった散歩に行きたがらなくなった。お気に入りのソファに飛び乗らなくなった。そんな変化はありませんか?
整形外科疾患は皆様の子たちのQOL(生活の質)に大きく関わります。どうぶつはどこがどのように痛いとは言ってくれません。当院では触診や歩様の観察を丁寧に行い、X線検査をはじめとする各種検査を適切に行うことで、痛みに寄り添えるよう心がけています。各種外科手術にも対応しており、術後は当院グループのリハビリチームと連携した長期的なケアを行うことが可能です。
立ち姿や座っている姿勢、歩きかたを診ていきます。整形外科疾患トラブルを抱えている場合、重心の位置や足の着き方、頭の動きなどに問題がある場合があります。
どうぶつにストレスを与えないよう足先から頭、尻尾まで手で触っていき筋肉、骨、関節、靭帯の異常や痛みの原因となる場所を探していきます。整形外科疾患を疑う際にとても重要な検査になります。
脳や脊髄、末梢神経の異常がないかを確認する検査です。特殊な器具、機材は使わず触診などで神経の機能を評価していきます。整形外科疾患と神経疾患では非常に似た症状を示すことがあるため鑑別が必要な際に実施していきます。
必要に応じてレントゲン検査や超音波検査などを行います。
椎間板ヘルニアはダックスフントを代表とする軟骨異栄養犬種で多く発症します。内科療法で改善することもありますが、重度の場合は手術が必要となります。当院ではMRI検査やCT検査、脊髄造影検査による病変部位および重症度の評価を行っており、その子に合わせた治療法を提案させていただきます。
抱っこをしていて落としてしまった、椅子から飛び降りてしまったなど、室内で骨折するケースが増えています。当院では骨折整復術においてLCP(Locking Compression Plate)システムやFixin microのようなロッキングプレート、Toy cuttable plateなどのインプラントを症例の体重、動き、骨幅により使い分けております。骨折様式によっては外科手術が不要な場合もありますので、まずはご相談ください。
膝蓋骨脱臼には内方/外方/両側脱臼があり、内方脱臼の発生率が高いです。膝蓋骨内方脱臼はポメラニアン、トイ・プードル、ヨークシャー・テリアなどトイ犬種に多い疾患です。重症度はグレード1〜4まで存在し、重度の場合は将来的に膝関節炎や前十字靭帯断裂につながることもあるため、外科的矯正が必要となります。触診やレントゲンなどの画像検査、手術中の様子次第で手術の術式が変わってきます。習慣的に脱臼している場合が多いですが、急に足を挙げるなど急性症状がある場合は特に早期に受診して頂くことをおすすめ致します。
犬の前十字靭帯断裂は後肢跛行の原因で最も一般的と言われております。症状が進むと骨関節炎や半月板損傷が起こり痛みを伴うようになります。触診や画像検査(レントゲン検査、超音波検査)により診断を行い、麻酔下にて関節鏡を実施することで確定診断を致します。当院では、前十字靭帯(部分)断裂に対する術式としてTPLO(Tibial plateau leveling osteotomy: 脛⾻⾼平部⽔平化⾻切り術)を実施しております。TPLOは小型犬から超大型犬まで適応可能で、術後早期の負重が期待できる術式になります。詳細に関してはお気軽にスタッフまでお問い合わせ下さい。
整形外科を専門とする獣医師をお招きし、専門外来を開設しています。
かかりつけ医より状況に応じて受診をご案内させていただきます。
令和元年12月
ワラビー動物病院 副院長
令和4年1月
ワラビー動物病院 院長
AO Principle course 修了
日獣医麻酔外科学会