ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.176 音に怖がる犬への克服【競技克服編Part1】

さて、前回音に怖がるおはぎさんのお話をしました。その後、大会のチャレンジにて克服しなくてはいけない数々の難問、どのようにすれば警戒しなくなるのか、何が必要なのかを分析、検証していきコラムにしていこうと思います。

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大会シーズンに入り、おはぎの克服しなくてはいけない「音」の問題のひとつ、それはスピーカーから出る音です。普段は意欲もありパワーみなぎるおはぎ、練習での体力は素晴らしいものです。

しかし…ここでヘリコプターや車が通ると…動きが遅くなりキョロキョロし、耳を伏せて怯えてしまいます。

特に去年はスピーカーから出る音全てに怯えてしまい隅っこに隠れてしまう動作も見られました。今年こそは!と、トレーニング開始したのですが…

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まずは小さなスピーカーからチャレンジしてみます。それに加えて私の聞きなれた声でマイクを通してみる事にしてみました。始めは、驚いて少し逃げようとしていましたが、すぐにフードをフリスビー皿に入れて食べさせます。

勿論スピーカーの音は小さな音からスタート!

すると次第に気にならなくなってきました。成功かな?と毎回このスピーカーを持参で大会に向けて練習してく事にしました。練習を重ねていくうちに音量をMAXにしてみても全く動じません。上手く行っている様子です。

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そこで、もうひとつの難問!スピーカーを大きくします。昔DOGWANでイベントをした時に使ったっきり数年眠っていた古い大きなスピーカーを出してみました。

この存在だけで最初はびっくりしていましたが、フードは食べてくれるようになったのでまずは、初日は音を無しにして目の前でフードを与えてみます。

そして次の日、とても小さな音で「雷」の音を鳴らしてみます。

すると…全く気にしませんでした。そしてフードからおもちゃに切り替えて、スピーカーの目の前までボールを転がしてみます。

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へっピリ腰ではありますが、ボールをとらえて私の所に持ってきてくれる余裕も出てきました。それでは慣れてきた所で外での実践です。スピーカーをつなげ、マイクもつなげて大会の雰囲気を出してみました。

全く気にせず、スピーカーの上でお得意の「はーい」のポーズまでお披露目できるほどの余裕です!これなら大会に出ても問題ないかもしれないと、そう心によぎりました。

大会当日に新たな苦手が発覚…

いよいよ大会当日になりました。会場では、人や犬に気にせず進んでいくおはぎ、周りの人混みには気にはしていない様子です。

そこで大会開始のアナウンスが苦手なスピーカーからマイクで音がはいりました!

…が本人は気にしていません。成功です!これなら大丈夫!と思ったその時…風速7mほどの予報、テントが飛びそうになるほどバサバサと揺れ動きました…

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その瞬間、尻尾を巻いてパニックに…

勿論競技にはテントが気になり集中できずに終了…いつものようにフリスビーを空中ではキャッチしませんでしたが、指示にはきちんと従うように会場内であえて教えます。怖がり空中ではキャッチしたり、追わないものの、転がしたフリスビーには反応してくれたので、最後まで持ってこさせます。(写真はバサバサするテントを気にして目線がそれるおはぎ)

風の音が怖くてもここに戻れば安心だよと思わせる事が大切なので、おはぎは特に会場内でしか怖がらない為、その環境を利用させてもらい、コートの中でも普段と変わらない事と思わせ楽しい事を教えていきます。

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このように怖がる音が新たに増えて現地で判明しても決して途中で辞めたりしない事が克服に繋がればと思っています。

結局この日はいつもの勢いのあるおはぎではありませんでしたが、スピーカー以外にも苦手があると判明しただけでも儲けものです。

なにが苦手か分かればそれに慣らせば良いだけ。

この子には高望みをしないで「怖くても指示に従うと安心できるとい」というのを教えていけば良いだけなので、これからまた新たな作戦で克服につなげて行きたいと思います。

次回は大会での音が気にならなくなるアイテムは何か検証して、それを出してみて出場してみようと思います。

おはぎが音を克服していつものようになるのは果たしていつになるのか?私もこれから記録していこうと思います。