ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.154 老犬になった愛犬のお手入れ

人より寿命が短い犬…。いつかは必ず訪れるその時が来ると分かっていても、いざその時になると、動揺してしまうのではないでしょうか?
高齢になり、心臓や関節が衰えてくると犬は寝たきりになったり、歩行が介助無しではできなくなってしまいます。そんな時爪切りやシャンプーなどのお手入れをお願いするサロンでは、安全の面から高齢犬はお断りになるケースも多くあります。

そのようになってしまった場合いったいどうしたら良いのでしょうか?

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疾患のある老犬にはサロンがストレスとなる
いつも通っているサロンだから大丈夫!と思うのは飼い主さんだけかもしれません。犬にとっては飼い主さんと離れて、足腰が痛く休みたくても休めない…長時間立っている姿勢を取るのも精いっぱいなのに気づいてあげましょう。

家がいちばんの安心の場所
寝る時間が増えてきた、歩く時間が減ってきたなど、犬にの行動が変わってきたら、あまり出歩かせるのは辞めましょう。犬には外より室内でのんびりするのが安心の場所となっていきます。何かしらの疾患が出た場合は排泄だけ、外にだし、あとは室内でのんびりとした生活を送るようにしてあげてください。いつも習慣としていたお散歩も人からしてみたら変わりない日常かもしれませんが、犬にとって1日は人の7倍のスピードで過ぎていきます。
10歳を過ぎたら愛犬の身体は老化と戦っている事を忘れずに接してあげましょう。

お手入れは安心する自宅で行う
心臓疾患やてんかんが出たり、老化による様々な疾患があると上記で述べたようにサロンでもお断りになるケースがほとんどです。そんな時は飼い主さんの出番となり、愛犬の安心できる自宅で、最低限のお手入れの技術を身につけてケアをしてあげる事をおすすめします。

最近は犬用のバリカンや爪切りはホームセンターにもおいてあるようになりました。お手入れの仕方はネットで調べたり、いつも行っているサロンに聞いてみるのもいいかもしれません。それを飼い主さんがする事により、どれだけ愛犬が安心して、長寿を全うできるでしょうか?飼い主さんと離れて見えない所でのお手入れというのはどれだけ老犬に不安を与えるかよく考えて、愛犬の安心するお手入れをしていきましょう。

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全身シャンプーはできるだけ控えてドライシャンプーをしましょう
老犬は身体が濡れてしまうと体力がかなり奪われてしまいます。シャンプーをしてしまうとその後にドライヤーで乾かさないといけなくなるので更に負担がかかってしまいます。ドライヤーの熱で老犬が倒れてしまう事が多く、そのまま意識を失ってしまう事も少なくありません。

できるだけシャンプーは控えて、汚れた部分だけに水のいらないドライシャンプーを使うと老犬に負担なくケアする事ができるので、ドライシャンプーを使うようにしましょう。

このように、愛犬にできるだけ負担がなく老後を快適に過ごして貰うためには飼い主さんが日頃からケアをしてあげる事が大切です。見た目の綺麗さは大切かもしれませんが、愛犬の負担を考えてあげると、綺麗さより快適さを優先させてあげた方がいいのではと私は思います。愛犬がいつサロンにいけなくなるか分かりません、もしもを考えていつかは自分でしなくてはいけなくなる時がくると思います。愛犬の幸せはできる限り飼い主さんが作ってあげましょう。きっと悔いのない老後が過ごせると思います。