ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.54 社会化期と犬のコミュニケーション

イメージ

どうぶつ園通りの動物病院にて月に1回行われているパピーパーティーですが、子犬同士のコミュニケーションは見ていてとても微笑ましく、心が癒されます。しかし、このコミュニケーションは子犬の時期には必要な取り組みとなるのですが、成犬に対してはこのコミュニケーションはバトルの原因となってしまう事があります。
これは子犬の時期にコミュニケーションを十分に行わずに育った場合に現れると言われています。だったらこれからコミュニケーションをとればいいじゃない?と思う方も多いのですが、成犬になってからでは犬同士の挨拶等を学ぶには遅すぎるのです、子犬のうちは縄張り意識や順位付けはあまりしないのでコミュニケーションでトラブルになる事が少なく、親犬や先輩犬・子犬同士から挨拶の仕方を学び受け入れる状態になっているのです。
しかし、成犬は縄張り意識や順位付けが先走ってしまうので遊んでる場合ではなくなります。
受けいれられるのは子犬のうちが一番ベストな状態と言えます。
そして、この子犬時代に十分にコミュニケーションを取った犬は成犬になった時に犬とは遊ばずに「他の犬に会ったとき上手に挨拶をして無視できる犬」となります。
ドッグランをしていて、よく飼い主さんから言われるのが、1歳を過ぎてから遊ばなくなった・・・と言われることが良くあります。これは、成犬になって順位付けの遊びはもうしないよ~お母さんに従いますよ。という行動でもあるのです。
もちろん犬との挨拶はします(鼻をつけておしりの匂いを確認する)それが終わればもういいのです。これが成犬の正しい挨拶方法なのです。
もし、ここで相手が静かに挨拶をせずにパンチをしたり飛びついたり等の行動が出た場合、子犬の時期にコミュニケーションが取れている犬は相手の犬を注意しようとします(母親が子犬に注意するような行動)犬が犬をしつけるようになるのです。
成犬になって遊んでいるように見えるのは実は遊びではなく順位付けが殆どであって、子犬から一緒に遊んでいた相手や同居犬は群れとみなされるので、このような相手とは「遊び・じゃれ」といった行動が出ると思います。
成犬になって初対面同士の犬は相手の行動を見ながら接触するといいでしょう。遊ぶからうちの子はいいんだ!という訳ではなく、上手に無視ができる犬が良い成犬と言えます。子犬のうちのコミュニケーションはとても大事という事ですね。子犬のうちに出来るだけ色々な犬に会わせましょう。