ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.2 正しい信頼関係を築くためには犬の身体に触る事

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子犬を迎え入れたらまず始めにするしつけはトイレでもなく、お座りでもありません。 子犬の身体に触る事です。触るといってもただ単純に撫ぜていればいいというわけではありません。 子犬の背中、顔、口、耳、お腹、足、尻尾・・・というように身体のいろいろな場所に触られても嫌がらないようにしなくてはなりません。  飼い主(犬のリーダーとなる者)が犬の身体のどの部分を触っても、犬は動かないで大人しくしている事ができれば、上下関係がしっかり築かれている証拠になります。これを「ホールドスチールとタッチング」といいます。
なぜ、この様なしつけがすぐに必要かといいますと、本来ならば子犬は母犬から服従行動を学びます。母犬は毎日挨拶の様に子犬の身体のにおいをかいだり、子犬が飛びついたりすると母犬はひっくり返したりします、このようにして母犬から服従するという事を学び、次第に子犬は上位の犬に会うと自ら仰向けになり、子犬は上位の犬がいなくなるまでピクリとも動かずに仰向けになり足を広げて黙っているようになります。
仰向けになり、お腹を見せるという行動は、お腹には内臓があり、もっとも弱い部分で犬にとっての弱点となります。その弱点を相手に見せるという事はそれだけ信頼関係が築かれている証拠にもなるのです。
このようにして子犬は母犬や上位の犬から服従行動を教えてもらいます。生後3ヶ月頃まで母犬といた子犬は母犬からある程度服従行動を教育されているので身体のどの部分に触っても大人しくしていたり、自ら仰向けになる子犬が多いともいいます。
ですが、大体ペットショップやブリーダーから家庭に来る子犬は生後1ヵ月半~2ヶ月頃の子犬です。子犬は服従行動を教えてもらう前に母犬から引き離されて来てしまうのです。  早い時期に離されてしまった子犬に服従行動を教えずにそのまま飼育していると子犬は服従を覚えずに育ちます。次第にリーダーシップを取るようになり、抱き上げたら咬み付く、降ろしても咬み付く、爪切りはもちろんできない、咬み癖は治らず本気咬みになってきたり・・・とあらゆる問題行動が出てきてしまいます。 それだけ、タッチングやホールドスチールは大切なしつけになってくるので、飼い主が母犬の代わりになり、服従行動を教えなくてはなりません。これは、子犬の殆どが必ず通る道であって、なくてはならない行動です。
このホールドスチールやタッチングに慣れてくると次第に子犬は仰向けにされてあくびをしたり、鼻を舐めたりする動作をします。これは落ち着こうとする合図です。最終的には眠ってしまったり、リーダーに守られてるという安心感が出てきて、大きい音が鳴ってもおどろかなくなります。 完全に服従心が身についたら飼い主が手を差し伸べただけでコロンとひっくり返る動作もするようになります。
こうなると、もう安心です。服従心が身についてしまえばいけない事いい事の聞き分けもスムーズに通じあう事ができるようにもなってきます。 子犬を迎え入れたなら、可愛がるだけではなく、その犬の母親になってあげる事、そして、よきリーダーになってあげる事が大切ですね。  タッチング・ホールドスチールの詳しいやり方は「子犬教室」で毎回行っております。興味のある方は是非ご参加下さい

※ 成犬のタッチング・ホールドスチールは少し時間がかかります。成犬はマンツーマンのしつけ教室にてご指導させていただいております。