翔ちゃん先生の犬の飼い方コラム

第43話

栄養と食事

人間の食べ物

人間の食べ物

人間と犬では栄養の要求が異なることはわかっていても、飼い主は“おねだり”にきわめて弱いようです。すぐに自分の食べている物を与えてしまいます。また、市販フードに人間の食べ物を混ぜて与えることも広く行われています。ただし、混ぜるとしても人間の食べ物が25%(乾燥成分にして)を超えないようにすべきと言われています。ここでは人間の食べ物に関していくつかの注意事項をまとめてみます。なお、「常識の範囲なら人間の食べ物を与えてもなんら害はない」との見解もあります。

① 肉・魚

犬にとっては重要な蛋白源です。しかし、ミネラル(カルシウム、リン、ナトリウムなど)、ビタミン(A、D、E)が足りません。「犬=肉」という固定観念で、肉ばかり与えると、カルシウム不足になります。なお、魚は全体をすりつぶして、つまり骨も含むようにするとカルシウム不足にはなりません。

② 卵

栄養価が高く、蛋白源としては最良です。ただ、卵白だけを“生”で与えることはよくありません。卵白には、ビタミンB複合体の一つであるビオチンを破壊するアビジンが含まれているからです。ただし、卵黄中にはアビジンを相殺するだけのビオチンが含まれています。全卵(卵黄と卵白)であればアビジンを心配する必要はないようです。卵は調理してからの方が無難かもしれません。

③ 牛乳

牛乳中のラクトースがいけません。多量に飲ませると下痢をしてしまいます。

④ レバー

レバーだけを与えつづけると、肉の場合と同様にカルシウム不足になります。また、レバーには多量のビタミンAが含まれています。与えすぎるとビタミンA過剰で中毒に陥ることもあります。

⑤ 野菜

蛋白源、ミネラル源となる原料がバランスよく含まれている食べ物といっしょに与えることを前提とすれば、犬にとって良好な食べ物です。たまに、菜食主義者の方々が自分の飼い犬にも菜食主義になることを強要することがあります。しかし、動物性原料を全く用いずに食事のバランスを保つことはなかなか困難なことです。

⑥ 玉ねぎ・にんにく

これらには犬にとって有毒なアルカロイド(高等植物中に存在する有機化合物で、さまざまな毒性、薬理作用を持つ物質:例えばニコチン、モルヒネ、カフェインなど)が含まれています。多量に与えると、発熱、溶血性貧血、暗色尿などが見られます。

⑦ チョコレート・キャンディー

高カロリー食品です。肥満の素になります。また、甘い物で十分量のカロリーを得られれば、他のフードを食べなくなります。栄養バランスが壊れてしまいます。でも、多くの犬は甘い物が好きです。チョコレートには有害なアルカロイド(テオブロミン)が含まれています。テオブロミンは少し形が変わるとカフェインになります。利尿作用のあるアルカロイドです。