翔ちゃん先生の犬の飼い方コラム

第42話

栄養と食事

ドッグフード

ドッグフード(〜その1〜)

ドッグフードの種類・特徴

ドッグフードとは、「穀類、肉類、油脂類、野菜類、ビタミン類、ミネラル類・・・、その他の添加物等を原材料とし、混合機、蒸煮機、成型機、乾燥機、加熱殺菌機、冷凍機等を使用して製造したもの(通常のフード)、又は天日干し等簡易な方法により製造したもの(乾燥チキン、乾燥小魚など)で、犬の飲食に供するものをいう」と定義されています。

皮、骨、腱等を材料とした遊び用おもちゃ、加工も添加もしていない肉(副産物も含む)の冷蔵・冷凍品、ある時期に特定の目的で与える栄養補助剤は、ドッグフードには分類されていません。ドッグフードは栄養目的で与える食事と規定され、暇つぶし用のガムなど栄養目的以外で与える食べ物までは含みません。といっても、いろんな種類の犬用食べ物が市販されるようになり、その境界線が曖昧なところもあります。目的別に見ますと、ドッグフードは、総合栄養食、間食(おやつ、スナックなど)、その他(特定の栄養を調整する、カロリーを補給する、嗜好増進などが目的のフード)に分類されています。

定義の中にいろんな機械の名前が書いてありますが、ドッグフードの製造工程で使用されるさまざまな機械です。例えばドライフードの製造です。まず原材料を粉砕・配合し、混合機で混合します。次にエクストルーダーという加熱・加圧押出機により発泡・成型します。その後、乾燥機で乾燥させ、冷却して製品が出来上がります。

ドッグフードの分類の仕方はいろいろです。例えば、すでに書きました目的別もありますし、段階別(成長期用、維持期用、老齢期用)、形状別(顆粒状=離乳食・成長期用、発泡状=多くのドライフード、ビスケット状=間食用など)、商品特徴別(プレーンタイプ=単色で粒は一種類、ミックスタイプ=多色やさまざまな粒の混合。エコノミータイプ=比較的低価格、プレミアムタイプ=比較的高価格、容器形態別(箱、袋、缶、レトルトフィルム袋)などの分類方法があります。最近は犬種別というものもあります。

ドッグフード(〜その2〜)

水分含有量によるドッグフードの分け方

水分含有量での分け方もあります。とくに品質保持方法や給与量を決める上で重要な分類方法ですので、少し詳細に記載します。水分含有量により以下の四つに分類されています。

1 ドライフード(一般的フード)

水分含有量が10%程度以下のフードです。13%以上になるとカビの発生があるといわれています。カビが生えないように水分含有量を工夫したフードです。加熱温度は115~135℃程度です。原料によっては160℃程度まで加熱することもあります。穀類に含まれる炭水化物は調理され消化率が高くなります。
同時に病原微生物を死滅させる作用も果たします。つまり加熱直後はほぼ無菌状態なのです。
ただ、その後の乾燥・包装などの工程で無菌性は損なわれます。発泡させて製造されますので、吸水性に優れています。

2 ソフトドライフード(半生フード)

水分含有量が25~35%程度のフードです。ドライフードと同様に発泡・成型したフードです。品質保持のため酸や防カビ剤、水分保持のため湿潤調整剤が使用されています。ドライフードより加熱温度が低く、加熱時間も短いのがドライフードとの相違点です。硬度(硬さ)、水分含有量、保存方法の相違を除けばドライフードとよく似ています。価格は高く、缶詰並です。

3 ウエットフード(いわゆる缶詰類)

水分含有量が75%程度のフードです。肉を主原料としています。缶・レトルトパウチなどの密封容器に充填し、殺菌したフードです。殺菌の温度・時間は容器の種類・サイズによります。

4 セミモイストフード

水分含有量が25~35%程度のフードです。水分含有量はソフトドライフードと同程度ですが、発泡はさせていません。品質保持のため砂糖や防カビ剤、水分保持のため湿潤調整剤が使用されています。肉を原材料として肉状に見せる工夫をしたフードなどがその代表です。

上記の四つのフードについて、品質保持、嗜好性、経済性の観点から一般的な優劣がつけられています。缶詰が開封後速やかに使用することを奨められるのはなぜか、食欲が落ちたときになぜ缶詰を活用するのか、などを考えるときに参考になります。

  • 開封前の品質保持期間の長さ
    缶詰>レトルトパウチ>ドライ>セミモイスト・ソフトドライ
  • 開封後の品質保持期間の長さ
    ドライ>セミモイスト・ソフトドライ>缶詰・レトルトパウチ
  • 嗜好性の良さ
    缶詰>セミモイスト・ソフトドライ>ドライ
  • 経済性の良さ
    ドライ>セミモイスト・ソフトドライ>缶詰

ドッグフード(〜その3〜)

ドライフードと缶詰の特徴と注意点

ドライフードは飼い主さんがよく利用するフードです。
米国では90%以上の飼い主さんが利用しているともいわれています(現在はこれより低くなっているかもしれません)。安価で使い勝手がよいことがドライフードの利点です。
また、パリポリとよく噛みますので、歯石の蓄積を少なく抑えることができ(歯石を予防できるという意味ではありません)、歯肉と歯の健康を助けます。

ドライフードの欠点を見てみます。
原料には乾燥したものしか用いることができません。つまり、新鮮な肉類を原料とはできないのです。
半生タイプ、缶詰類と比較すると、栄養素含有量と嗜好性がやや劣ります。
また、消化率・脂肪含有量が低め、繊維質が多めといわれています。他の二つと比べるとどうしてもカロリー濃度が制約されてしまいます。
これがなにを意味するかというと、必要なカロリーを十分に満たすためにはそれなりの量を食べなければならないということです。食の細い犬はとても食べきれないかもしれません。カロリー不足になります。

缶詰類は、嗜好性が高く、消化率も高いのが特長です。
日持ちしますし(開封前)、保存食にも適しています。ドライフードと違って、原料に新鮮な肉類を使うことができます。実際、缶詰類の多くは原料に穀物と肉・魚類が使われています。
ただし、植物性蛋白に着色して“肉もどき”になっているものもあります。私の好物の“カニかまぼこ”、“イクラもどき”といっしょです。いずれにしても、缶詰類は、脂肪含有量も高いので、グラム当りのカロリーはドライフードより高く、栄養補給・食欲増進によいようです。

さて、缶詰類の欠点ですが、エネルギーの大部分が蛋白質です。
もし、缶詰類だけの食事としますと、腎臓に負担がかかり、その機能を損ねることがあります。
それから、開封後の保存期間が限られていますし、添加物も気になるところです。

ドッグフード(〜その4〜)

表示の見方

ペットフード安全法で飼料の名称・賞味期限・原材料名・原産国名・製造業者、輸入業者又は販売業者の氏名又は名称及び住所の表示が義務付けられています。さらにペットフード公正取引協議会の「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で目的・内容量・給与方法の表示を定めています。
これらの表示を確かめてみましょう。

① 飼料の名称

「ドッグフード」、「キャットフード」、「愛犬用」、「猫用」などのように表示します。

② フードの目的

「総合栄養食」、「間食(おやつ又はスナック)、「その他の目的食」の三つの目的のいずれかがわかるように表示します。

③ 内容量

正味重量をkgまたはgなどの単位で表示します。

④ 給与方法

給与方法は、フードの目的、年齢、体重などで、1日に与える量と回数が異なります。文章、表、図などを組み合わせて、わかりやすく表示します。

⑤ 賞味期限または製造年月

賞味期限または製造年月をアラビア数字で表示します。
賞味期限は“未開封のまま、指定された保存状況で”という前提条件がつきます。開封後の目安はドライフードで1か月、ソフトタイプで2週間です。いずれにしても、開封後の目安の期限内に食べられる分だけを購入するようにしましょう。缶詰・レトルトパックは、開封後は生ものと同じです。早めに使い切ることが大切です。それからなるべく新しいものを購入するようにしましょう。

⑥ 成分

粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の重量比を%で表示しています。なお、“以上”、あるいは“以下”で記載されています。つまり実際に分析した値ではなく、保証できる値が記載されています。

⑦ 原材料名

主な原材料が使用量の多い順に記載されています。一般の飼い主が原材料までチェックすることはまれかもしれません。また、チェックしてもよくわからないのが本心かもしれません。

⑧ 原産国名

フードが最終加工された国名を表示します。

⑨ 事業主の氏名又は名称及び住所

「製造者」、「販売者」、「輸入者」などを明記した上で、氏名または名称(つまり会社名)、住所を表示します。
表示の中にある情報で栄養学的に最も重要な情報は、保証成分、原材料一覧及び栄養学的妥当性についての表明です。「栄養学的妥当性についての表明」はそのフードがどのように試験をされたか、そしてどのステージ向けかを示すものです。

米国では米国飼料検査官協会(AAFCO)が栄養基準の指針を提供しています。この団体は、指針を提供するだけで、認定や承認をすることはありません。つまり「AAFCO認定」などという表明はありえないのです。

AAFCOが栄養基準を提供するステージは4つだけです。すなわち、成長期、維持期、妊娠期及び泌乳期です。老齢期、高齢期、体重減少期などはありません。通常、「この商品は、AAFCOの定める給与試験の結果、成長期用総合栄養食であることが証明されています」などと表示しています。

ドッグフード(〜その5〜)

保証成分

フードの保証成分表の値は実際の分析値そのものではありません。項目毎に最低量、あるいは最大量を示しているに過ぎません。また、保証成分が均一に満たされているかどうかは、表示だけではよくわかりません。

粗蛋白質と粗脂肪は、栄養上必要である(エネルギー源)との理由から、最低量(つまり○%以上)を表示します。あくまでも最低量です。粗蛋白質25%以上と表示があっても、きっかり25%ではありません。実際は28%かもしれませんし、30%かもしれません。それは消費者にはわかりません。粗脂肪の表示でも同様です。なお、脂肪控えめのライトタイプは、粗脂肪含有量を範囲で示す場合もあります。ライトタイプは、通常のフードと比較して、脂肪含有量が約30%減、総カロリーは約15%減にしてあるようです。

粗灰分、粗繊維、水分が多すぎると、カロリーが低下したり、一定の栄養を摂取できなかったりする恐れがあります。それでこれらについては最大量(つまり○%以下)を表示します。これもどれくらい少ないのかはわかりません。

四成分の前に“粗”という言葉がついていますが、これは“約”とか“大まか”の意味ではありません。
分析上の精度を示したものです。ドッグフードの成分分析も人間の食べ物の成分分析もほぼ同じ方法で測定されます。

AAFCOの基準値は乾燥重量当りの含有量で示しますが、保証成分表では一般的に現物中(つまり水分を含んで)の含有量が示されています。ドライフードでは水分含有量が約10%です。蛋白質が25%以上と表示されていれば、その10%増(25%+2.5%)、つまり27.5%以上が乾燥重量当りの含有量になります。缶詰の場合、水分含有量は約75%です。表示された蛋白質含有量が8%以上であれば、それを4倍すれば(8%以上×4=32%以上)乾燥重量当りの含有量になります。表示を見て、「どれどれ、我が家のドライフードでは・・ん~と、なになに蛋白質含有量が25%以上。で、缶詰が8%以上。この缶詰はドライフードより蛋白質が少ないじゃないの!」、なんて単純に考えてはならないのです。乾燥重量当りに換算して比較しなければフェアではありません。缶詰さんがかわいそうです。

表示に効能・効果(このフードは○○に効果があります、○○を予防できます)を書くことはできません。薬事法違反となります。ゆえになんとなく微妙な表現をしていることが多いように思います。

ドッグフード(〜その6〜)

原材料(その一)

フードの表示に原材料一覧が掲載されていますが、一般飼い主にはなかなかの難物です。

原材料は現物当りの重量割合が大きいものから順に記載されています。あくまでも“現物当り”で“乾物当り”ではありません。ゆえに、ある原材料(例えば牛肉)が最初に記載されていても、水分が75%以上の缶詰などでは乾物当りでは栄養的に僅かにしかならないこともあります。また、トウモロコシのような原材料を、粉砕トウモロコシ、粗挽きトウモロコシなどと細分して表示されている場合、トウモロコシ全体では大きな割合なのですが、個々は一覧の下位に記載されます。つまり、トウモロコシはあまり使っていないと誤解してしまいます。一覧を見て、「牛肉が最初に記載されているので牛肉がたくさん使用され、栄養価も高いんだろうな。トウモロコシはうしろの方だな。いろんな種類があるようだけれど、あまり使われていないのだな」と単純に考えてはいけないこともあるのです。

フードの種類によって利用する原材料はやや異なります。ドライフードでは、トウモロコシ、小麦、大豆等の穀類、つまり植物性原料と、肉、魚肉、肉粉、魚粉等の動物性原料、そしてビタミン、ミネラル、アミノ酸といった栄養添加物が原材料です。酸化防止剤のような添加物も使われることがあります。これらを原材料として、総合栄養食としての栄養バランスを整えています。缶詰類は、肉、魚肉が主体です。密封容器に入れられ、殺菌されますので、多くは保存料のような添加物は使用していません。ソフトドライ・セミモイストフードの原材料で、他のフードと大きく異なるところは糖質、プロピレングリコールなどの湿潤調整剤が使用されているところです。これは水分を25~35%程度に保つためです。

ドッグフードの主要な原材料は、穀類、畜肉、魚肉などですが、これらは天候や季節によって収穫が違ってくる天然原材料です。メーカーは、原材料供給がどのような状況であっても、栄養成分が同一になるように工夫します。場合により、主原材料の部分的入れ替えが行われ、同一製品でも原材料が違っていることもあります。

ドッグフード(〜その7〜)

原材料(その二)

ドッグフードの歴史は19世紀後半までさかのぼることができます。その頃は交通手段として馬がよく使われていました。街中に馬がたくさんいます。そして、毎日のように馬の死骸が出てきました。この死骸をどうするかが大問題でしたが、うまいことを考えついた人がいます。この馬肉を犬用として売ることです。これがドッグフードのそもそもの始まりのようです。今日風のドッグフードは、北米で市販された缶詰が最初です。1926年のことです。ドライフードが主流となったのは1960年代後半、栄養基準が示されたのは1970年代初期のことです。

さて、原材料に話を戻します。昔は人の食材と競合しない原材料(つまり残り物、余り物)がドッグフードに多く使われていました。食用に適しない部分、食習慣の違いから残ってしまう内臓などです。人から見ると、味や食べやすさが劣っていても、栄養価や経済性からドッグフードとしては価値ある原材料でした。今日では「人が食べているので安心」との考えから、人の食材が多く使われるようになりました。飼い主もそちらを好む人が多くなっているようです。ただ、限りある食資源です。食資源確保の観点から、人と犬での競合が問題となっていることも事実です。

原材料一覧だけでフードを評価することができるかといえば、困難といわざるを得ません。原材料の品質や等級までは表示されていないからです。「一覧の価値は、特定の原材料にアレルギーを持つ個体に適しているかどうかを判断する材料となる程度だ」と言う人もいます。ある人が「動物性の蛋白質はせめて二種類は入れてほしいな。油脂も動物性と植物性の二種類の原材料を使ってほしいな。その点だけを一覧でチェックしているよ」と言っていましたが、バランスよく原材料が使われていることが重要なのかもしれません。

ドッグフード(〜その8〜)

嗜好性と受容性

人間と同様に、犬も自分の好みをはっきりと持っています。嗜好性とはフードをいかによく好むかの指標です。受容性は聞きなれない言葉ですが、食べるフードの量がカロリー必要量を十分に満たすかどうかの指標となります。

嗜好性はとても重要なことです。製品を犬及び飼い主が好んでくれ、末永く使ってくれるには嗜好性の研究が欠かせません。嗜好性は実は複雑な課題です。犬の食欲をそそる要素はさまざまだからです。香り、味、舌触り、温度、ある種の栄養素の量、それから習慣も影響します。

水と脂肪の含有量はフードの香りと舌触りに影響します。犬は共通してドライフードより缶詰の方が好きなようです。これは水分含有量が影響していると考えられます。蛋白質と脂肪含有量の増加は嗜好性を高めます。ただし、ある程度までです。多ければよいというものではありません。あまりに含有量が多いと逆に嗜好性を低下させます。体温を超えない程度の加温は食欲を刺激します。

多くの動物は慣れ親しんでいる食事を好むのが普通です。いわゆる“習慣”です。一般的に、多くの異なる原材料を使っているフード(例えばドライ)には、「これでなくちゃイヤ」と固執することは少ないようです。しかし、原材料が少ないフード(例えば缶詰)では好みのフードが特定なものに偏る傾向が強いようです。「小さな頃からいろんな食べ物に慣れさせることが大切」との記載がありますが、これをやっておくとフードを変更することも比較的容易になります。

受容性は嗜好性の影響を強く受けますが、その他にも栄養素の必要性(=真の食欲)、過去の経験(学習した食欲、絶食させられた経験)などが影響します。犬が、自分の体の要求に応じて求めかつ摂取するのは、水、ナトリウム、エネルギー源になる栄養素(蛋白質、脂肪、炭水化物)といわれています。その他の繊維質、ビタミン、ミネラル(ナトリウムは除く)はそうではありません。鉄分が足りないからといって、自ら鉄分を補給することはないのです。

犬は、食欲不振でもないかぎり、必要以上に摂取するのが一般的です。しかし、栄養学的な必要量と個体の摂取量は必ずしも一致しません。必要以上に食べたり、逆にその個体が食べる量では必要十分な栄養が摂取できなかったりもします。結局、栄養素を正しいバランスで含むフードを与える以外に手はないようです。

ドッグフードのトレンド

① 特殊目的と多目的のフード

特殊な目的で調整されたフードが特殊目的のフードです。最近の流行は“肥満用”と“老齢犬用”のようです。脂肪含有量を下げていますので、嗜好性が劣ることもあります。嗜好性を保持しながらカロリーを減らすのはなかなか難しいことです。

対象を幅広くしたフードが多目的フードです。多くの製品が“多目的”です。きちんとした原材料を用い、きちんと製造されていればという前提条件はつきますが、体重に応じた分量を与えれば、平均的な健康状態を保つことができるとされています。

② 低価格

一般の飼い主がフードを選ぶ二大基準は価格と嗜好性だそうです。自分の飼い犬が好んで食べて、その上安ければいうことなしです。低価格は優れた市場戦略といえます。しかし、一方には問題もあります。低価格とするために品質を下げる場合が多いことです。低価格維持のため、たびたび原材料を変更しなければならないかもしれません。消化率なども最低レベルかもしれません。
(最近は“ペットも家族”との想いから高価格のプレミアムフードも流行っています)

③ “人の食べ物”風

「犬も人の食物を好み、必要としている」という間違った考え方に基づいています。人の食べ物風のフードは、買う人(つまり飼い主)を惑わすトリックかもしれません。犬が人の食物を必要としたり、要求したりすることは栄養学的にはありません。

④ 香料の変化

「犬もさまざまな香料を好む」との誤解に便乗したトリックのようです。香料を少々変えただけで品数を増やすことができます。いくら嗅覚が発達した犬でも通常は食べ慣れた食事を好むものです。いろんな香料を好むものではありません。野生での自然な食事は単調なものです。

⑤ 特定の原材料

“特定原材料を含む”には、「犬は肉、猫は魚」などの固定観念を利用したトリックがあるようです。逆に“特定原材料は含まない”を宣伝文句にしたものは、その原材料の有害性を誇張して不安を煽り、その製品だけに飼い主の目を向けさせるという思惑が見え隠れします。