翔ちゃん先生の犬の飼い方コラム

第34話

病気

病気の話 〜腹痛〜

腹痛(急性腹部疾患)

犬は「お腹が痛い」と言葉で訴えることはできません。
しかし、震え・動かない・食欲がない・嘔吐・下痢・泣き叫び・体位の異常などで急性の腹痛を訴えます。

痛みを伴う急性腹部疾患の原因は様々です。
若齢犬では外傷・食事・感染症が原因のことが多く、老齢犬では悪性疾患が多いと言われています。
生命を脅かす重病のこともあり、緊急対応が必要な場合も少なくありません。
大型犬に多いとされる胃捻転はその典型かもしれません。

腹痛の原因を列記し、代表的な疾患を記載します。「原因は様々」と理解してくだされば結構ですが、重病の可能性があることだけは記憶に留めておかなければなりません。

・胃腸:炎症、潰瘍、捻転、穿孔、異物
・膵臓:炎症、膿瘍、腫瘍
・肝臓・胆管:肝臓の急激な腫れ・膿瘍、胆管閉塞
・脾臓:捻転、膿瘍
・尿管:腫れ、腫瘍、外傷
・繁殖器官:炎症、膿瘍、外傷
・その他:ヘルニア

診断にはX線撮影が一般的です。臓器の位置に異常がないか、ガス・腹水が貯まっていないか、異物がないかなどが検査されます。
診断がつくまでは、脱水症状改善目的の補液、嘔吐・ショックへの薬物投与などの補助的治療が行われます。

確定診断後に外科的手術が施されることも少なくありません。腹痛を認めた場合はただちに動物病院へ搬送することが肝要です。

【ワラビーグループの診たて】

普段、人が自覚する腹痛とは違い、ワンちゃんネコちゃんの腹痛があきらかにわかるような時の多くは早急な診断処置が必要となります。 様子をみないで、なるべく早急な受診をおすすめいたします。