グループストーリー 第1章

“わたしたちのオンリーワンストーリー”

ワラビー動物病院グループがめざすもの

話せるかかりつけ医でありたい。頼れる専門家でもありたい。
わたしたちがめざすのは、“総合力”で信頼される動物病院。
スタッフ一人ひとりの専門力や経験や個性を活かし、
技術も心もひとつに合わせることができたなら、
より安心・良質・快適な診療とサービスを
皆様にご提供していくことができるはず。
ワラビー動物病院グループは、そんな思いを出発点にしています。

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第1章 チームワークで支えたい、変わりたい。

一つにはまず、医療技術の問題。

動物医療の世界も、人間の医療の高度化を反映して、クライアントの要求水準がどんどん高くなってきています。ペットを“動物”としてではなく“家族の一員”として可愛がる人が増えるにつれ、人間同様の医療技術を求める人が増えているのです。そのように高度医療化が進むと、動物病院でも各分野毎にエキスパートが求められるようになります。一人の獣医師がマルチに対応し、すべての分野において高度な要求に応えていくのは非常に難しいことですし、限界があります。だったら動物病院も、人間の総合病院のように、チーム医療のスタンスを取り入れた方が良いのではないか。専門分野を持つ複数の獣医師が力を合わせて診療サービスにあたるという方が、技術的な水準も上げられるだろうし、飼い主様にもより安心して大切なペットを任せていただくことができるのではないか。そういった発想がまず根底にありました。

二つ目には、診療体制や雇用の問題。

動物病院業界というのは個人病院がほとんどで、獣医学部を卒業した若者はどこかの個人病院で「代診」と呼ばれる実地見習い期間を3~5年務め、その後独立開業するというパターンが一般的です。それは僕の頃から、もう三十年来ずっと変わっていません。では、なぜみんなそうやって数年で独立するかというと、それ以上いても待遇が良くならないから。つまり「代診」の期間はあくまでも見習いとしての給料しかもらえないからです。僕が「代診」をやっていた頃は、給料というよりは小遣い銭程度しかもらえなかったし、無給という人も珍しくはありませんでした。そうしてひととおりの技術を身につけた人は独立開業のために辞めていき、病院はまた新しい学卒者を見習いとして迎え入れるという仕組みが連綿と続いてきました。動物病院業界は、人間の病院業界と比べると、同じ医療分野でありながら非常に安価な労働力で成り立っている業界なのです。また、そうでなければ成り立たないほど脆弱な経営内容が通用してきた業界だとも言えるでしょう。ワラビー動物病院グループは3つの動物病院からなる動物病院グループですが、こういった現状を良しとしているばかりでは、せっかく人数がいてもグループ全体の組織力につながっていきません。「代診」期間が終わっても、そのまま働き続けたいと望む人には居てもらいたい、またそう思ってもらえるような魅力ある病院にしていきたいと願う気持が以前からずっとありました。

三つ目には、診療の質の問題があります。

「代診」制のデメリットは、やはり診療技術の未熟さです。1年目は何もかも初めてなわけですから、普通、技術がちゃんと身についてくるのは2年目の後半くらいです。そうしてやっと一人前になったとたん辞めていくわけですから、医療サービスを提供する立場から言えば、診療の質を安定させることは非常に難しい。また経営者の立場から見ると、お金を払って未来の同業者、競争相手を自ら育成し続けているようなものだとも言えます。今後、診療の質を引き上げていくためには、そういった業界の現実を変えていかない限り難しい。また、医療の高度化や専門化に対応できる技術者を育てていくには時間がかかる。そのような理由からワラビー動物病院グループは、「代診」期間終了後の獣医師を能力に応じて優遇雇用する「勤務獣医師」制度を導入しました。現在、グループ全体で8名の勤務医が働いています。勤務医制を導入することで人件費の占める割合は大きくなり、その分経営的な難しさも増すのですが、より良質な医療サービスを提供していくためには絶対に必要なことだと考えて決断しました。獣医師の待遇を安定化させ、人材を育成することで、病院ならびにグループ全体の水準を引き上げることができます。またそのことは結果的に獣医師以外のスタッフにも様々な形で還元できるのです。

以上のような理由と経緯でワラビー動物病院グループはグループ化を推し進めてきました。お客様に対しては、チーム医療を核にした病院個々のチームワークとグループ全体としてのチームワークの両方を大切に、その質的・規模的メリットを充分にご提供していきたいと願っています。またスタッフに対しては、チームワークで支え合うことでいい意味で互いを刺激し合い、いきいきとした職場の雰囲気を共に育み、より良く変わっていける組織になってほしいと願っています。

第2章:目に見えるサービス、目に見えないサービス