CT検査では立体的に体の内部を知ることができます。CT検査によって得られた情報を元に幅広い軟部外科手術に対応しています。
コンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略称で、X線を360度方向から照射して体内の構造を立体的に観察できる画像診断装置です。当院では「16列マルチスライスCT装置」を設置しています。レントゲンや超音波検査など今までの検査ではではわからなかった微細な組織構造も明瞭に描出します。
CTが有用なケースは腫瘍性疾患、複雑骨折、特殊な部位の骨折(骨盤や顎、関節内の骨折など)、椎間板ヘルニア、先天性疾患など多岐にわたります。特に腫瘍性疾患におけるCTの有用性は高く、早期発見や的確な診断に役立ちます。また外科手術を行う上で腫瘍の大きさや発生部位、血管の走行、転移の有無などを正確に把握することができるため、より安全で正確な手術計画を立てることができます。
検査時間も短いため言葉の話せない動物達にもやさしい検査です。
近年、猫の尿管結石が増えています。レントゲンやエコーではっきりわからない小さな結石に対してCT検査は有効な検査方法です。当院では尿管結石に対する外科治療を積極的に行っております。
猫の尿管結石について門脈体循環シャントとは、門脈と全身の静脈(主に後大静脈や奇静脈)の間に異常な血管(シャント血管)が形成され本来、肝臓で解毒されるべき毒素が肝臓を迂回し、そのまま全身の血液循環に回ってしまうために様々な症状を引きおこす病気です。造影CT検査により門脈シャントの確定診断が可能となりました。
門脈体循環シャント犬では肝細胞由来の腫瘍が最も多く、特に悪性腫瘍の中では肝細胞癌の発生が多いです。肝細胞癌は多くが塊状型で大きな腫瘍塊を形成しますが、限局していれば手術で完全切除も可能です。腫瘍の大きさや解剖学的位置により完全切除が難しい場合も大部分を切除できれば、寿命を延ばすことができます。肝臓腫瘍に対してはCT検査が有用で、腫瘍の発生部位や大きさ、大血管との位置関係などを正確に評価することができます。
肝臓腫瘍胆嚢疾患は近年、犬で増加傾向にあります。胆嚢粘液嚢腫、胆石症、内科治療に反応しない胆嚢炎などに対して外科治療を行っております。特に胆嚢粘液嚢腫は進行すると胆管閉塞や胆嚢破裂を引き起こし命に関わります。当院では胆嚢の手術を多く行っております。
胆嚢疾患動脈管開存症は犬で最も多い先天性心疾患です。体制気に大動脈と肺動脈をつないでいる動脈管が生後も自然閉鎖せず開存しているために起こる病気です。治療が行われなければ進行して心不全を引き起こします。
動脈管開存症
獣医麻酔外科学会
獣医がん学会
獣医腎泌尿器学会
北獣協
旭川小動物臨床研究会
酪農学園大学附属動物病院 腫瘍科/軟部外科 研究生