前回はお手入れに慣れさせる事についてのお話をしましたが、今回はブラッシングについてお話したいと思います。
トレーナーでもある私ですが、トリマーの技術もあるのでお客様のワンコや子犬達のトリミングも行っています。その中で気になるのが、ブラッシングをしていない方が多いという事。
自然と生え変わるには森や林の中を毎日駆け巡ったりしなければそう簡単にキレイに抜けるものではありません。そして毛の生え変わらない種類のワンコも抜け毛がないからと言って放っておくと毛玉だらけになってしまいます。抜け毛や毛玉を予防するには毎日のブラシのケアが必要となります。
スリッカーブラシ
玉付きスリッカーブラシ
コーム(クシ)
アンダーコート処理ブラシ(ファーミネーター等)
スリッカーブラシは毛のもつれ、大まかな抜け毛を取る為、目の細かいピンが沢山付いています。皮膚の薄い子犬には先端に保護玉の付いているスリッカーを使うと痛みで嫌がらずにブラシをさせてくれます。
コーム(クシ)はスリッカーの後にもつれ、毛玉の引っ掛かりが無いように仕上げに使います。
アンダーコート処理ブラシは抜け毛の多い子に使うと簡単にアンダーコートを処理する事ができます。ブラシは年齢や毛の質により使い分けて行きましょう。
よくある状態が、表面だけかけていて内側にブラシが届いておらず、内側の毛が一体化して毛玉だらけになっている事が多くあります。きちんとかけているように見えてても実は表面だけで、すごい毛玉が育っているのです。
【写真】根元の毛がフェルト状の毛玉になりバリカンで短くしている写真です。このように毛の抜けない犬種だからとブラシを怠ってしまうと、一体化してしまい、皮膚炎にも繋がってしまいます。
ブラシはただ表面だけサッとすればいいという訳ではなく、技術をしっかりと覚えて、愛犬の健康状態をチェックしつつ、身体に触り慣れさせるトレーニングをしつつ信頼関係を築いていく作業でもあります。ブラシしっかりする事により、健康面や躾の面でも良い事尽くめの作業となるのです。
【写真】このように上から潰すようにブラシをかけないように注意しましょう。ビックリされるかとは思いますが、このかけ方が1番根元が絡まる状態になりやすいのです。表面だけかけて、ちょっとふわふわになったような感じになるのでここで油断せず注意が必要です。
【写真】まずは毛を逆立てて毛を分けます。皮膚が見えるようにして手で分けた毛を押さえながら下に向かって逆立てた毛を少しずつ取りながら毛の流れにそってブラシをかけましょう。このようにすると、根元からブラシをかける事ができるので、表面だけで終わると言う事はありません。
ブラシをかけてハイ終わり!ではありません。最後にコーム(クシ)を使い、毛のもつれや毛玉がないか、チェックします。この時に引っ掛かりがあるようならまだもつれてたり毛玉がある証拠なので、毛玉をほぐしたり、もつれを取る為にもう一度内側からブラシをかけてあげて下さい。
この一連の作業を抜け毛のシーズンや抜け毛の無いシングルコートのワンちゃんに毎日行うようにしてあげましょう。毛玉やもつれがあると皮膚にも悪く、トリミングサロンでも料金が加算されてしまったり、丸刈りになったりする事もあるので、できるだけふわふわサラサラに保つ為には毎日の飼い主さんの頑張りも大切です。ブラシで絆も深まり、より良い関係にも繋がるでしょう。