お家のワンちゃんは首輪にしていますか?それとも胴輪(ハーネス)にしていますか?よくしつけ教室でこんな悩みが多くあります。
「お散歩で前に引っ張るんだけど、どうしたらいいでしょうか?」
そのような質問をしてくる場合は決まって胴輪で散歩をしている事が殆どです。この胴輪は元々は犬ぞりで前に行くように作られたのがスタートになり、首が苦しくなさそうなので良いのでは?と民間で流行り出した物と言われています。
しかしこの胴輪がまだお散歩が上手に出来ない犬が使ってしまうと、横に歩くどころか飼い主さんの顔すら見ないでグングンと前に進んで行きたい放題、興奮し放題になってしまいます。
胴輪が必要とされている犬は気管や喉や頚椎に疾患があった場合や引っ張りグセがなく、制御が効く犬が理想とされています。
犬が飼い主を無視して前に行くと自分が中心になってしまい興奮もしやすくなり、制御も効かなくなってしまいます。犬を見つけて興奮して勝手に走っていっては吠えたり等、飼い主さんとの関係にも亀裂が入ってきやすくなります。
一方で首輪の方は、顎から耳あたりを刺激する事により母犬に注意をされていると認識して、動きを制御しやすくなります。皆さんは「首輪」イコール「苦しい」と思いがちかと思いますが、正しくは気管を刺激するのではなく、顎から耳にかけたラインを首輪で刺激する事により、苦しさはなく、尚且つ信頼関係も築く事もできるのです。
首輪を着けている時は力いっぱい引っ張るのではなく「合図」を送るだけでコントロールが出来るようになってきます。
私は過去にドッグショーに参加していた頃があったのですが、生後3ヶ月から細い1本のチョークカラーと言うショーリードで犬をコントロールします。力は殆ど使わず、喉は一切刺激せず、顎にショーリードをかけて、自由自在について行く事を教えるのです。引っ張る事なく子犬はハンドラーの私に付いて歩いてくれます。
身体の大きなシェパードの子犬もハンドリングしますが、同様に首輪をうまく使ってあげると引っ張り返す事もなく、顎にショーリードをかける事で、あっさりとコントロールが出来ます。
犬は母犬から勝手にあちこちに行ってはいけませんよ!と言う合図は大声を出したり攻撃したりはせずに、ボディーランゲージで顎や耳を手や鼻で突き、子犬に気が付かせて付いてくる事を教えるのです。それと同じような位置を首輪で刺激すると、前に引っ張る事もなく付いてこようとします。
それに合わせて「ついて」や「ヒール」の言葉をつけてフードをあげながら歩くと、一緒に歩くといい事が起きる!と認識し、前に行かなくなります。それが完了してから始めて「胴輪」に移行できるのです。
コントロールが出来ないうちは胴輪にしてしまうとトラブルが増えてしまいがちになりますので、首輪の使い方を理解した上で犬との関係をより良くしていきましょう。