ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.164 犬の飛びつきについて

「うちの犬は喜ぶと飛びついてくる。ケージから出して興奮すると飛びつく。それを辞めさせて、落ち着いた犬にさせたいのです。」と相談を受ける事があります。
この「飛びつく」という動作は「上位に立った犬」「リーダーになろうとしている動作」として受け止められ、絶対にさせてはダメ!もしくは人が倒れて危険なので、辞めさせましょうと言われています。

しかし、本当にこの動作はリーダーになりたくてしているのでしょうか?

犬の行動学を勉強していくうちに、この動作がリーダーになりたいが為にしている行動では無いと思うようになりました。この「飛びつく」という動作の前には、犬は権勢しておらず、喜びの表現をしている事が殆どです。この行動をする場合は、食事の前、お散歩の前、遊ぶ時、飼い主の帰宅時など、全てにおいて喜びと重なっているのです。

この行動から、飛びつくからと言って全てが上位の現れではない事が考えられます。

第一に何故飛びつくのか考えた所、母犬と挨拶をする時に子犬は下から母犬の口元を舐めて信頼関係を築いていくのですが、犬は人の顔をよく見ています。飛びつく先には人の口や顔を舐めたいと言う思いから飛びつこうとするのではないかと思います。

これは上位の現れではなく、愛情表現と言ってもいいと思います。

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しかし、愛情表現だからと言って、毎回飛びつかせる訳にもいかず、大きい犬であれば突き倒して怪我の原因にもなりかねません。しっかりと「マテ」を教えてあげて、飼い主さんがOKを出した時に飛びつきを解除をさせて、存分に飛びつかせるというのをしてあげると、犬も愛情表現が出来るというのと、トレーニングでマテの指示もしてあげる事により、信頼関係が増してくるのではと思います。

全てを制御するのはお互いのストレスにも繋がる事もありますので、ONとOFFをしっかり作ってあげる事により、愛犬との幸せが待っているはずです。