犬の子犬時代は約1年ほどで、犬の一生が15年とすると、とても短い期間であり、あっという間に過ぎていくのが子犬時代です。実はこの期間に経験した事は犬の性格形成の土台となると言われています。今回はこの1年未満に何が出来るのか?何が必要なのかをお話したいと思います。
1歳未満で経験した事は一生に繋がる?
母犬が子犬に教育するように、巣立ったあとも子犬は様々な事を吸収しようとします。子犬を迎えてから留守番がちで、外出もなかなかせずにひとりの時間が多い子犬は問題行動が発生しやすいと言われています。いざ1歳を超えてから色々な経験をさせると受け入れる事が出来ずにパニックになる事もあります。
例えば、ハウストレーニングを生後70日からスタートしたとします、始めは鳴いて要求しようとしますが、子犬の頃からトレーニングをしていくうちに次第に自分のスペースと認識し、落ち着けるようになっていきます。
しかし、ハウストレーニングを1歳過ぎた頃から急に行うと、ハウスに入れられた事がない恐怖から、こじ開けて出ようとしたり、爪から血が出るほど引っ掻いたり、慣れるどころか受け入れる事ができなくなる事もあります。
このように1歳未満の子犬であれば様々な変化を受け入れやすくなっているのですが、成犬からスタートすると、とても時間を要することになってしまいます。
トラウマにならないように注意する
子犬に他の犬にも慣れて欲しい為にドッグラン等に連れて行く事もあると思います。ここで気をつけないといけない事が、「相手に威嚇される」 「噛まれる」 「ケンカに巻き込まれる」という事です。これらの事は子犬の時代に経験してしまうと、一生引きずってしまい、トラウマになってしまう事もあり、やられる前にやってやろう!と、相手を威嚇するようになってきます。
この様な事を予防する為に、ドッグラン等の沢山の犬が集まる所に行く場合は、飼い主同士のお話に夢中になったりせずに、自分の犬から決して目を離さないで監視する事。
そして、もし威嚇やトラブルに合って恐怖を感じた場合はすぐに自分の愛犬を呼び戻し「おいしい大好物な食べ物を与える」事です。
これは、嫌な事→良い事 とすり替えて行くように、トラウマにならないように予防していきます。
犬の事だから犬に任せて、また会わせたら良くなると思わないようにしましょう。相性の合わない子は何度会わせても良くならないものです。犬とのコミュニケーションはとても難しく繊細な面もあるので、相手が本気で怒っているか?教育なのか?判断が出来ない場合は避けるのが無難かと思います。
1歳未満で犬と沢山会わせれば将来はきっと犬が好きな子になると思う方も多くいると思いますが、実はそれは逆で、犬と沢山会わせれば会わせるほど、犬に関心が無くなり遊ばなくなります。
犬との関わりが上手になると順位を着ける必要がなくなる為、挨拶をある程度したら犬を無視するようになってきます。
この「犬を無視する」行動こそが、犬に慣れて犬とのコミュニケーションが上手な子と言えるのです。遊ぶ行動は順位付けの一貫でもあるので終わらない遊びを続ける犬は注意が必要になります。
犬の1歳までは大事に過ごす
生後2ヶ月頃から子犬を迎えて1歳になるまでの約10ヶ月間、この短い期間に沢山の経験を詰め込んであげて、子犬の為に幸せな土台を作っていきましょう。この時期はたっぷり時間を使って、子犬に尽してあげる事。勿論自分の事も大切ですが、犬の一生は人間より短いのです。たった10ヶ月、時間を使うだけでいいので、子犬を迎えたらひとりでの留守番は少な目に…お仕事は少し時間を短くして子犬との時間を作ってあげましょう。きっと素敵なワンライフが見えてくるはずです。