ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.155 パピーパーティーの必要性

子犬は生後2ヶ月頃から「社会化期」という時期がスタートします。正確には生後1ヶ月を過ぎた頃から徐々に母犬からへの教育が始まり、生後2ヶ月頃には母犬の教育も本格的になり、様々な経験を吸収していく時期と言われています。

ショップにいる子犬達の殆どは生後1ヶ月半頃には母犬と離れてしまう為、兄弟犬や母犬からのコミュニケーションを十分に受ける事ができず、お家に来てしまいます。この時期に本来ならば、母犬から甘噛みの注意を受けたり、兄弟犬に甘噛みされて痛みを覚え、遊ぶ相手に対して力加減を覚えていきますが、離れてしまった子犬はそれを経験せずにひとりになってしまう為、人に対しての甘噛みがエスカレートしてしまい場合によっては成犬になっても治らなくなってしまう事もあります。

母犬や兄弟から社会化期に習わなくてはいけない事
我が家の犬たちの出産、子育てを見ていくと生後3ヶ月までには親離れがある程度完了する事が分かりました。生後2ヶ月で離された子犬と生後3ヶ月で離された子犬の違いは

生後2ヶ月では「分離不安」「落ち着きのなさ」「甘噛みの長続き」「物の独占欲」等が強く出ている子犬が多くいました。生後3ヶ月では上記の行動はほぼ無くなり、人が教えるトレーニング(トイレトレーニング、スワレ等のコマンド、トリミング用具の慣らし)のみで済む子犬が多くいました。

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つまり、最低でも生後3ヶ月までは母犬からの教育は必要となり、生後2ヶ月に離されてしまった子犬はかなり苦労をしつつ飼い主さんが母犬になりきってトレーニングしなくてはいけない事が分かりました。小さくてかわいい時期で生後2ヶ月の子を迎えるのはいいのですが、見た目優先よりも、たった1ヶ月の差で子犬の情緒の安定と成長をさせる事ができるのです。

そして、社会化期がスタートしたら母犬や兄弟が教える事とは何か?

・甘噛みの加減
・目上の犬から物を奪わない(譲る)
・タッチトレーニング
・安心感

が上げられます。この事を生後2ヶ月から3ヶ月の間の1ヶ月で行われ、生後3ヶ月頃には母犬が子犬を威嚇して追い払う動作も見られるようになり、親離れの教育が生後4ヶ月までに完了するのです。そうすると、ハウストレーニングも子犬の寂しさの要求がなくスムーズに進みます。

人がトレーニングをすると時間がかかる
母犬や兄弟に任せると、とても早く感じるのですが、母犬から早く離れショップに来てしまった子は人の手でトレーニングするとなるとやはり時間がかかります。母犬や兄弟から離れて1週間犬に会わなかったりするだけで他の犬を見てパニックになり警戒したり、食器を取ろうとすると奪われると思い、威嚇したり…。噛み付いてきたり…。子犬なのに心が安定していない事もしばしば…。こうなる前に、パピーパーティーに参加する事も1つの方法となります。

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パピーパーティーとは何か?
動物病院などで生後2ヶ月又は3ヶ月から6ヶ月の子犬を対象に行われている。いわゆる「子犬のしつけ教室」になります。同じ位の月齢の子犬達が集まって、じゃれ合いをして甘噛みの加減を覚えたり、ドッグトレーナーによるしつけのお話や実践トレーニングを行ったりしている教室となります。

生後間もなくから参加する事ができるので、母犬から早く離れてしまった子犬には是非とも参加してほしい教室となります。お家で人とばかり過ごす事より、犬と生活しなければいけない時期だからこそ、参加をする事は大切になります。

そして生後1歳までに経験した事は性格形成の土台となる為、この1年の経験が今後の一生に関わってくる事もあります。約15年ほどの犬の一生…始めの1年で大きく変える事も可能なのです。

もしお近くの動物病院などでパピーパーティーが行われていたら積極的に参加してみましょう(^-^)