ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.144 沢山触れ合い信頼関係を育てる

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前回のコラムでは「手に慣れる事の大切さ」についてお話しました。今回は子犬から始めるタッチトレーニングについてお話いたします。

前回でもお話したように、犬は始めから人間の手に対して受け入れる事はなかなかせず、経験していくうちに人の手は安全で優しいと言う事を学びます。母犬とは触れ合っていても、人間は母犬ではないので、いくらごはんを与えたりお世話をしていても、触れる事を教えなければ、それ(人の手)が「安全で安心する物」と言う事は覚えていきません。

「こんなにお世話していて、かわいがっているのに何故私に噛み付くのかしら?」「抱き上げようとすると噛み付く」「足を触ると噛み付く」と言う事もしばしば…

悪いのは犬ではなく、人が犬に対する教育と経験不足から来る物と言う事が分かれば解決は早いと思います。

来たその日からタッチトレーニングをスタートしましょう。

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来たばかりは環境の変化や不安、体調の関係もあり、なかなか触れずハウスに入れっぱなしが多いと思います。特に体調の不良もなく元気であれば、ハウスから出して子犬を抱っこし、触れてあげましょう。

そこで、気をつけたいポイントとしてフード等ご褒美をあげながら、人に抱っこされる事はいい事だよ、と教えてあげます。そして、抱っこの仕方は子犬をあお向けにして赤ちゃんのような抱っこをしてあげましょう。
嫌がるようでしたら無理にせず、静かにあお向け抱っこをしてあげてみてください。初日はこれがクリアできれば完璧です。

慣れてきたら次第に足やしっぽ、耳に触れてみましょう。

また人に触れられる事はすぐに慣れませんので、必ずフードを与えながら、足先、しっぽ、耳に少しずつ触ってあげて、ゆっくり教えてあげます。いきなり全部ではなくても、この日は足だけ、耳だけでもいいので、無理せずトレーニングを進めてあげるといいでしょう。

口に触れる事ができたら合格です

抱っこ、足、しっぽ、耳が問題なくできるようになったら、口に触ってみましょう。子犬の場合は歯の生え変わりもあるので、痛くて反射で噛んでしまう事もあるかもしれませんが、ここでもフードを与えながら無理せず行い、抑えるのではなく触れるだけで合格です。

ここまでできると信頼関係も出来上がってきて触れる事の警戒心が無くなって来るかと思います。

成犬の場合は子犬と違いすぐには受け入れる事はできないので、数年かけてこのトレーニングを行って慣れさせていきます。

できる限り子犬のうちに触れるトレーニングを行い、成犬になった時にどれだけ触れる事が良い事と思ってくれるようになれたら嬉しいですね。

子犬の頃からのトレーニングは母犬が教える事と同じ事なので、ストレスも感じず、反抗期の無いワンコに育ちます。

お互いが幸せになるように少しずつ人間が母犬になって教えていきましょう。