ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.141 子犬の社会性は3ヶ月で決まる?

我が家で産まれた子犬たちは、生後80日を迎え、ひとりずつ新しいオーナー様の元へ巣立って行きました。

子犬たちはギリギリまで、母親、兄弟犬、先輩犬たちとコミュニケーションを取り、人に噛まない事や犬社会のルールを学びます。

巣立ちの前は特に子犬への社会化を強化していきます。

一般に子犬の社会化は生後6ヶ月頃までと言われていますが、1番吸収するのは生後2ヶ月から3ヶ月の1ヶ月間に強化すると、その後が落ち着いた状態になると考えられます。

つまりその間に土台を作る事により、その後の社会化が順調に行くと私は思っています。

生後2ヶ月から親と離れてケージに入れっぱなしの子犬はその貴重な土台作りがうまく行われず、情緒に乱れが出てきてしまい。触れるのを嫌がる、唸る等の問題が出てくるのではないかと考えております。

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子犬はこの時期に母犬に甘えたりしますが、親離れの時期になり一喝する姿も以前にも増して頻繁に行われるようになりました。これも社会性を強化する為にかなり大切な経験となります。

母犬は母乳を拒否する代わりに、ここで要求してはいけない、手をかけてはいけない、目を合わせてはいけない、噛んではいけない等のルールを遊びの中で教え始めます。

なかなか母犬が甘えさせてくれず怒ってしまうので、子犬は仕方なく母犬と自ら距離を取り、人の側へ来るようになって行きます。

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このようになれば、頼る者は母犬から人にシフトチェンジとなります。これができるようになるのは生後75日前後です。

しかし、人を頼るという行動を子犬がしてくれるようになるには、過去のコラムでも伝えております「タッチトレーニング」が完了して人との信頼関係がつくられている事が必要となります。

これから誰についていくか、誰に守ってもらうか?理解してもらわなくてはいけません。

これも母犬が人を頼っている状態であれば、尚の事スムーズに行われます。母犬が人を警戒している状態ですと、シフトチェンジは不可能とも言えるでしょう。

人の側で落ち着く事ができるようになった子犬は室内でフリーにしても興奮する事がなく、自分のおもちゃ等で遊ぶ事もできるようになり、先輩犬達に遊びに誘う要求も少なくなってきます。

我が家では巣立ち前には室内フリーのトレーニングも行います。

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フリーにしていてもトイレが分かるように教える、周りに犬や子供がいても遊びに誘い興奮しない事、子犬からではなく、こちらが誘った時だけ遊べる事。

そしてハウストレーニングを完了してから出発するのです。

少しでも新しいオーナー様の負担がないようにと、子犬のストレスにならないように。

親離れは自然と行い、頼る相手を自分で見つけてもらう事。

そのようにすると、人に興奮して要求する事はなく、落ち着いて頼る事を覚えるので、新しいお家に行っても初日からリラックスしていると、オーナー様からも言われています。

迎えた後に、こんなはずじゃなかった…と言う飼い主様が多く、その様な声を聞くと悲しくなってしまいます。

迎えたショップに問い合わせても専門外なのでと言われ、アドバイスはくれず、尚且つ要求、噛みグセ、興奮もピークの状態で来る事も多いので、しつけの範囲はひろがり、一般家庭ではとても飼育が難しくなってしまうのが現実です。

ドッグワンでは迎える20日前より来ていただき、しつけのアドバイスを行っています。

それが終了してから迎える事になっていますが、心の準備もしっかり出来ている状態ですので、オーナー様も安心できると思います。

いきなり、ポンと迎えるのではなく、母犬父犬や兄弟犬をみたり、そこのブリーダーさんがどこまで子犬の社会性を身に着けてくれているか等をしっかりと調べる事をオススメします。

不幸な犬と人が増えないように、何事もお勉強だと私は思っております。