ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.129 老犬との過ごし方②

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我が家の老犬あずきも、先日めでたく16歳を迎える事ができました。
腎不全ではありますが、毎日の保液と療法食で数値は維持できています。
実は我が家では歴代で16歳を迎えたのは初めてのワンコとなります。先代も15歳で旅立ちましたので、長生きしてくれている事に感謝の気持ちでいっぱいです。

若い頃は訓練・アジリティーの競技をこなしてくれていたあずきですが、運動神経は良い方で、ボール等のモッテコイも上出来でした。
当時はかなりの筋力を着けていたので現在もまだ足腰は丈夫な方かと思います。
寝てばかりの時間もありますが、ごはんの時間となると若いワンコを押しのけて一番に私の所へ駆け寄ってきます。
目も殆ど見えず、耳も聞こえないのにどうして、私の場所が分かるのか?不思議に思うのですが犬は家具の場所や室内の形を覚えています。
その記憶力は私たち人間が想像する以上に強いものではないかと思われます。
時々ぶつかりそうになったりしますが、耳の毛を伸ばし、ひげをカットせずに伸ばす事でアンテナの代わりをしてくれている様子で、感覚を頼りにかわしてぶつからずに歩くのです。

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目が見えない場合はひげは切らずに伸ばしておく事により目の代わりをしてくれているようです。
老犬が生活しやすいよう飼い主さんは犬の為にサポートしてあげるといいでしょう。
(写真:タイヤをジャンプする若い頃のあずき)

子犬の頃は実はとても手がかかるやんちゃな子でした。
生後48日で早すぎる親離れをして我が家に来たのですが、歯も揃っておらず社会性も学ばないまま来てしまったので、人に触れられることを極端に嫌がりました。
トリミングに関しては本気で血が出るまで咬みついたりと、とても苦労した思い出があります。

16年前、私も子犬のトレーニングを本格的に勉強していた頃、この子をトレーニングできたらきっと素晴らしい物となるだろうと・・。
あずきは私に課題を沢山くれて、それを教えてもらい共に成長していったのです。

今の私はあずき無しでは成り立っていなかったのではないかと思います。

トレーニングが完全に入ったのが2歳になった頃でした。親との引き離しが早ければ早いほど、トレーニングに時間がかかりますあずきは身体に触る事も嫌がらなくなりました。ここから、本当のパートナーとなったのです。

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訓練試験に合格・アジリティー競技会出場やしつけ教室のお手本犬など・・一緒に仕事をこなしてくれたのです。
(写真:大勢の人の中での教室で一途にこちらを見つめるあずき)
子犬の頃はとても大変な事もありましたが、トレーニング次第で必ず伝わります。
そして諦めない事が大切で、それが出来た時は一生切れる事がない強い絆となっていくのです。

現在は耳も、目も見えないし、聞こえないあずきですが、トレーニングしていた事は忘れていません。しっかりと今でも応えてくれています。
若い頃に作った絆は一生ものとなります。
かすかに感じる人の動きや匂いで現在もコミュニケーションを取る事が出来ているのはそのおかげかと思っています。

やはり、犬の能力は素晴らしいものですね、あずきは今でも私の一番のパートナーです!
願うは目指せ20歳ですね。
老犬との時間、1日1日大切に過ごしていきましょう!