ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.128 老犬との過ごし方

年を重ねると共に衰えて来る愛犬の身体、犬は人の7倍のスピードで成長しています。
10歳だけど、今は元気だからうちの子は大丈夫!
と思っていても、老犬の身体の変化は突然現れてくる事もあり、飼い主さんも不安になる事も・・・。
自分の愛犬であれば少しでも老後を楽しく、快適に過ごしてもらいたいと誰もが思います。
分かっていてもどうしてあげればいいのか?自分の愛犬は幸せなのか?
突然、身体の変化が現れた場合にはどのように愛犬にストレスを感じさせないようにするかをお話したいと思います。

老犬のお気に入りのスペースを作ってあげましょう

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現在、我が家には16歳になるトイプードルのあずきという子がいます。13歳まで人と同じベッドに毎日寝ていました。
老化が進むにつれて視力の低下、聴力の低下、そして足腰が弱りはじめて、ジャンプや走る事や階段の登り降りが出来なくなってしまいました。夜には寝る場所を探しウロウロと落ち着かない日もしばしば・・・。
しばらくの間、人と同じベッドで寝ていた為に本人もどうすればいいか不安になってしまったのです。
抱き上げて、私の寝室まで連れて行った事もあったのですが、視力の低下のためベッドから落下してしまう危険もあったので、断念しました。
そこで、1階のリビングでの生活に慣れさせる為、トレーニングを開始したのです。
4帖半のスペースをあずき専用として、お気に入りのハウス、お気に入りのベッド、いつもの食器を置き、おやつ等の匂いで誘導をして、ここにベッドや食器がある場所を教えました。
1日の生活はこのスペースで行ってもらうように出来るだけ好きな物を置いてあげます。
耳も目も弱くなっていますので、匂いと感覚だけが頼りなのです。
1週間程付き添ってあげて、何度もトレーニングを行って行くうちに夜の徘徊はなくなり、1日の殆どをこのスペースで生活してくれるようになりました。
トイレ、食器、ベッドが近くにあると弱った足腰を無理に動かさずに済みますし、体力を使って疲れる事もありません。
そして我が家は多頭飼育の為、他の犬が入ってくる事もあるのですが、これもトレーニングで制御する事ができます。
他の犬達も7頭いますが皆、あずきに距離を置いてくれています。
このように、老犬だけのスペースを覚えさせるのもトレーニングで可能になります。
年齢とその時のタイミングがとても大切になりますので、いつ、どの老化のレベルでスタートするか?が大切です。
例えば、寝たきりになってしまってからでは犬もそうですが、飼い主も不安になってしまいます。
目安では10歳超えた頃から自分だけのスペースで寛ぐ練習をしておくといいでしょう。

運動が出来なくなってきたらマッサージ

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足腰も弱ってくると寝てばかりとなってしまう事も多くあります、こうなると安静にする分には問題ないのですが、このままだと筋力が衰えてきてしまうので、衰えを防ぐ為に、マッサージをしてあげましょう。老犬にとっては軽い運動のような感じですね。
我が家流ですが、朝起きたら体を起こさずに足の裏のマッサージをします。
寝起きにするとやはり血行があまり良くないので冷たく感じますが、マッサージをして行くうちのほんのり温かくなってきます。
肉球を触られる事が嫌な子は無理をせずゆっくり温かい手で撫ぜてあげるだけでも効果的でしょう。

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その次に犬が痛がらない方向で足の曲げ伸ばしを10回してあげます。
この時も関節に負担がかからないようにゆっくり行って下さい。
足を上に上げすぎたり、外側に開きすぎたりしないよう、十分に気を付けながら行います。
前足も同じように行ってあげましょう。
足の裏と四脚の運動だけでも老犬にとっては十分な運動となります。
寝ている時間が多いあずきですが、床ずれもなく筋力も落ちずに過ごせています。
老犬との楽しい生活はこれからが本番です!次回も老犬についてのお話をしたいと思います。