ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.125 老犬からのトレーニング

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我が家にはもうすこしで16歳を迎えるトイプードルがいるのですが、13歳を越えたあたりから耳が衰えてきて、視力もかなり弱くなって来ました。
今まで出来ていた階段を上る事や夜の散歩等に本人も拒絶するようになり、視力の低下からトイレの場所が分からなくなり、違う所で排泄をしてしまう・・・。なんて事もよくあります。
高齢になってくると急ピッチで老化が進む事もあって、飼い主さんも「いつも出来ていた事がどうして急に出来なくなるの?」と不安に思うようになる方も多く、なかなか老化を受け入れられない、と言う事もあるのですが・・。

必ずいつかは来る愛犬の老化、どうして出来なくなったの?では終わらせたくはありません。
目が衰えて、耳が衰えて来ると、犬が頼りにするのは「匂い」です。
これはかなり重要な役目となり、老犬からのトレーニングの強い味方となってくるのです。
出来るだけ匂いのするおやつ等の好物を準備し誘導をしてあげます。
家の中でも外でも正しい通路を歩いてくれたら、優しく身体に触って褒めてあげておやつを与えます。
次第に自分が理解できている通路の感覚を覚えていき通れるようになってきます。
トイレのトレーニングも同じようにトイレまでおやつで誘導し、できたら褒めてあげておやつを与えます。
全てにおいて、誘導はおやつ等で行い、身体に触ってあげて安心感を与えてあげましょう。
そして、身体の衰えと同時ぐらいに心の変化もある犬も中にはいます。
例えば、抱こうすると嫌がる・ブラシをすると嫌がる・好き嫌いが多くなった・咬むようになった等・・。
わがままになってしまったのでは?と思う事もありますが、これも老化のひとつという事もあります。
必ず触れる前にはゆっくり優しく触ってあげて、本人が気が付いて心の準備が整ってから動作をしてあげてください。老犬には犬が人の環境に慣れてもらうのではなく、人が老犬に対し合わせた環境を作ってあげる事により、安心して行える老犬のトレーニングができるようになるでしょう。