ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.121 子犬の甘咬みが治らない理由

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生後2か月ごろから子犬の甘咬みがスタートします。丁度ショップから迎え入れる頃もこの頃かと思いますが もっと大人しいと思っていたのにこんなに咬むとは思わなかったと思う方も多いはずです。

前回のコラムでもお話しましたがこの時期は兄弟といなくてはいけない時期にもなり、兄弟同士でじゃれ合いをし合い咬む時の力加減を覚えていきます。
しかし、この兄弟同士のじゃれ合いが少ないと咬まれた時の痛みも分からないまま人の所へ行くので、人がじゃれ合いの標的となってしまうのです。

ここで経験不足の子犬に対し、じゃれてきて甘がみをされた時に、人が声を出したり、手を目の前にチラつかせて 制御したり、叩いてしまったりすると子犬の方も兄弟とじゃれ合っている感覚になり「楽しいからもっと咬んでやろう」とテンションも上がってきてしまうのです。

これが癖になると、ちょっと手を見ただけでじゃれて常に咬みつこうとしてくるのです。

だからと言って咬む事がいけない訳ではありません。
この時期は咬む事で色々な事を勉強していきます。この「咬む事」を全て制御してしまうと、更に経験不足となりイライラがより募ってしまう可能性となります。

人の手は咬んではいけませんが、他の咬んでいい物でコミュニケーションを取って行きましょう。
人の手にじゃれついてきた時は「苦いしつけのスプレー等を使う」「舌をつかみ違和感を与え自発的に出させる」「咬んで良いおもちゃで引っ張りっこ等する」を行う事により、1週間ほどで改善が見られます。
ポイントとしては咬ませない代わりに違う物(おもちゃ)を咬ませ、こっちが正しいんだよという事を教えていきます。

叱りっぱなしにせずに、正しい事を教えてあげて一緒に遊んであげるといいでしょう。
その時に出来るだけ犬に与える手の存在は褒める時にだけ見せるようにする事がポイントです。

タイミングがとても肝心となってきますが、少しでもあやふやな動きをしてしまうと子犬に感づかれてすぐにじゃれついてきます。できるだけ動きは少なく、素早く行うと子犬に伝わりやすくなるので、飼い主側もタイミングをしっかりとマスターすれば、愛犬の子犬期を楽しく乗り越える事が出来るようになるでしょう。