ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.115 咬みつくのは悪い?

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すぐうちの子は手に咬みついてきて許せない!歩くと足に咬みついてくるの、これじゃあ歩けない!もう手が傷だらけ!
と犬を飼っていくうちに増えてくる咬みグセ、これは犬が悪い訳ではなく、立派な成長の証なのです。

子犬の時期は歯の生えかわりと共にじゃれ咬みが出てきます。歯の生え代わりによるむず痒さや、痛みがあると、口の近くに来るものを反射的に咬みついたりするようになります。
時には鼻にしわを寄せて拒否する事もあります。これは本気で怒っているのではなく全て反射的な行動となります。

飼い主さんの中では鼻にしわを寄せて咬みついてきたからこの子は悪い子だ!怖い!と心配される方もおりますが、これは防衛本能と言って母親から早く引き離されたが為に「自分の身は自分で守らなくては!」と身を守る本能にスイッチが入っているだけなのかと思われます。
母犬の教育が本格的になるのは子犬が生後2か月を迎えた頃から始まります。
この時期に食べ物を独占しない事や甘噛みをしない事、身体に触られる事を3か月になる頃までに教育してくのです。

その教育が無いまま早くに母犬から離されてしまうと、物の独占や咬みつき、触れるのを嫌がる等の行動が出てきます。
その行動を「だめでしょ!」「イケナイ!!」と叱ったりしてしまうと、それが恐怖に変わり攻撃されていると勘違いして防衛本能にスイッチが入ってしまうのではと私は思います。

まだ教育の途中の子犬または知らずに育った成犬には「叱る」「威圧」するのではなく「教育」していく事が大切です。

咬んだ犬が全て悪い訳ではありませんし、咬みつくには理由が必ずあります。たとえ本気で咬みついて手を怪我してしまったとしても、責めるのは犬ではなく経験と教育不足であった事を考える事が大切なのです。

いぬのきもちを理解し母親の気持ちになり犬に教えて行く事を心がければ必ず治ります。
特に子犬の時期はとても大切なので少しでもおかしいかな?と思う事があれば信頼のおけるドッグトレーナーに相談するといいでしょう。