ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.97 私の犬たちとの生活

今、思い返せば私が子供の頃から今まで迎えた犬は12頭います。
その犬たちは個性あふれた犬ばかり!全ての犬との出会いがとても良い思い出で、勉強になる課題を与えてくれました。
犬たちは私にとっての先生です。長いお話になりますが、出会いから今までの犬のご紹介をしていきたいと思います。

私が犬を初めて飼ったのが小学校4年生の頃祖父が入院の為一時的に預かる事になった「ししまる」という名前のメスの雑種でした。とても頭が良く大人しい子でした。
当時は室内で犬を飼うだなんて考えられなかった時代、勿論外で飼われていたししまる・・。避妊手術もしていなかったので野良犬といつの間にか交配していた模様で、気が付けば4頭の子犬を外で出産していました

イメージ

その中の1頭を残す事にして名前は「ポロ」男の子です。
母犬はその後、祖父が元気になったので祖父の家に戻っていきましたが、ここで犬の出産、育児、母犬と子犬の上下関係、社会性、しつけをこの親子をみて勉強していきました。我ながら小学校4年生にして全て一 人で子犬達のお世話をしていたのには親も関心していました。
このポロが子犬の頃から初めて飼う犬になります。母親ゆずりの穏やかな気質で優しい犬でした。

この子は亡くなる前に心臓を悪くした以外病気ひとつしなかった健康な子でした15歳で他界しました。
ポロは私が看護師とトレーナーを目指そうと思ったきっかけの子です。

次にヨークシャテリアの10歳のオスの子を父が知人より引き取り家で飼う事になりました。名前は「ジミー」この子がまた強い気性の持ち主、ごはんの時に近づくと咬みついてくる、急に触ると咬みついてくる。
こんなに気質の荒い子は今まで我が家にはいなかったので家族みんなが唖然・・・。
年齢も10歳なので性格は変わらず、肛門周囲腺腫と心臓疾患も持っていたので無理はさせず「観賞用」のように生活していました。その1年後に他界・・・。短い期間でしたが老犬で病気で戦う犬を迎える覚悟、 最後まで看取る事を教えてくれました。
そして、今までで一番辛い思い出のある雑種のメス「マロン」
母とお出かけ中に道路の真ん中で子犬が立ち往生しているのを発見し、保護した子です。
その後飼い主を探すも現れず、そのまま我が家の犬に・・・。体重5キロも無いほどの小型の雑種、見た目は黒柴のような麻呂があるので名前は「マロン」元気でやんちゃでみんなの人気者!
野良犬だったからか?困った事にこの子は脱走の癖がありこれが少しでも目を放すと、網戸でもなんでもぶち破り外に逃げる!何度も脱走する事がしばしば・・・。
そして1歳を迎えたマロンにとうとう事件は起きてしまいました。
勝手口を兄が開けて外に出ようとした瞬間その間をマロンがすり抜け、道路に飛び出し事故にあってしまいました・・・。
車の運転手はひと声「あぶねーだろ!」と小学生だった兄に怒鳴りそのまま去って行ったそうです。

兄はガックリ肩を落とし兄は家族に慌てて報告・・・父はパニックになりマロンを抱えて家に移動し応急処置するも意識はなく・・・。
家族全員が大泣きした夜でした・・・。
家族にとって辛い思い出となりました。この時にしっかりと呼び戻しができていれば!脱走の防止のしつけができていれば!と
この頃は私も小学生・・・。家族もトレーニングの知識は殆ど無く犬は外で逃げる散歩は引っ張るものなんだと思っていた程・・・。
この事を最後に実家ではこの時「ポロ」だけになって、それから犬を迎えるのはやめてしまいました。

私もそれから中学、高校となり、犬の専門学校へ入学!そこで知った犬のしつけの真実・・・。
今だったらあの時のマロンを救えたかもしれないと悔しさでいっぱいになりました。

学校在学中に当時9歳だったポロに「リーダーウォーク」「呼び戻し」を9歳のポロにトレーニングしてみました。
ロングリードに付け替えて公園でフリーにした所・・・今まで散歩は引っ張り、逃げたら捕まらなかったポロも・・なんと!全く逃げない・・・。歩いたら一緒に歩き止まったら止まるのです。
年齢関係なしに教える事ができるトレーニングもあるのかと、これを機にマロンの死を無駄にしてはいけないんだと、私のトレーナー魂に火をつけてくれました。
第2部に続きます