ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.90 多頭飼育は飼い主がしっかりと!

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一つの家庭での2頭以上の飼育、これが今とても増えてきています。
犬は縄張り意識のある動物です。
1頭目のしつけがしっかりなっておらず、犬がリーダシップを取っている家庭に2頭目を迎えてしまうとこの場所は自分の新しい場所だ!と元々いた犬にけしかけてしまう事があります。
そして、元々いた犬のしつけが入っていないとその喧嘩を買ってしまい、大惨事となってしまうのです。
ここで人がしっかりとリーダーとなり、先住犬との信頼関係を築いている上で新しい犬を迎え、その新しい犬のリーダーに人がなってあげる事によりトラブルは回避できるのですが、なかなかそううまくは行きません。

一番犬同士のトラブルが多いケースは先住犬が年を取ってきたから、世代交代!と思って子犬を迎えてしまうパターンです。
年を取った先住犬は動きが鈍く、子犬の順位を下げるような行動を取らなくなります。
そうすると、新しく来た子犬は子供ながら順位付けの遊びをけしかけていくうちに、抵抗の出来ない先住犬は順位がどんどん下がっていくのです。
そうした事により、新たな犬が主導権を握ってしまい、今まで先住犬がいたスペースは取られてしまったり、目が合おうものならケンカをけし掛けられたりしてしまうようになり犬同士の相性のトラブルになってしまうのです。

ここで人がしっかり2頭のしつけや順位付けをしてあげる事により、トラブルは回避できるのですが犬の世界の事はなかなか難しかったりもします。

なので、どんなタイプの子を迎え入れたらうちの子はうまくやっていけるのか?
犬種や体のサイズ、性別もとても重要となってくるのです。
2頭飼育の群れになった状態に3頭目を迎え入れる時も更に注意が必要です。

人との関係の他に出来上がった犬の仲間がいるので、そこに入っていくには飼い主とのしつけがしっかりしている事と信頼関係がなくてはなりません。
出来上がった群れに他の犬を入れまいと、新入りと先住犬2匹の戦いにも発展します。
これは2頭目を迎え入れる事よりはるかに難しい問題となってきます。
最悪は家の中で別居の生活や里親に出してしまう場合もあるのです。

犬種の性格やタイプ、性別もとても大切ですが、何よりも飼い主の信頼関係、しつけ、訓練でのコントロールをしっかりとできてから慎重に多頭飼育を行って下さい。

きっと素敵なドッグライフが送れる事でしょう。