ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.69 関係のリセットには無視とハウス

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犬は成犬になってくるにつれて縄張り意識やリーダーになろうとする意識が強くなってきます。
8か月ぐらいから少しずつ変化が表れてきて、次第に上位に立とうとして本気で咬みついてくることもしばしば・・・。
そんな時は、人との関係を一度真っ白にしなくてはいけません。
例えばきちんとした信頼関係や主従関係が出来上がる前に家の中を自由に過ごさせてソファーの上を王様気分で独占している様な生活にさせてしまうと、寝ている時に触ると怒ったり、座った状態から急に立ち上がったりすると怒ったりと犬の方からこちらに「動くな!」とか「触るな!」と咬みついて命令をしてくるようになってしまう様にもなるのです。
これは人に対してばかりではなく、多頭飼育している同居犬に対しても出てしまう事があります。

ひとつは家の中に物を独占させない事!これが大事なのですが、フリーの生活をしていると飼い主が目を放している隙に自分の所有物を見つけてしまいます。
その自由な行動を防ぐ為にハウストレーニングをします。ここの場所はあなたの場所ではなく私のものなのよ!あなたは私が決めた場所にいなさい!
という事をこのようなハウストレーニングで伝えます。お仕置きにハウスに入れるのではなく、問題行動が完全に無くなるまで、日常的にハウスのトレーニングをするのです。
犬の行動も人が主導権を握っているという事を伝えます。
そして、問題行動を抱えてしまっている犬に対して、ベタベタして目を見つめたり声をかけすぎるのも注意が必要です言葉を理解しているのであれば問題ないのですが、全く言葉を分かっていない状態で「だめ!」とか「いい子ちゃんだから・・・」などと声をかけて目をみて接しようとすると、逆効果の場合があります。
目を見つめるという行動は犬の世界にとってはケンカの合図となります。そして声をかけると要求の意味としてとらえられるので犬にとっては「ほら!かかってこい!ケンカするぞ!」という風に思われてしまう事があるのです。
問題行動が無くなるまでは、こちらのいう事を聞いた時のみ触ってあげて声をかけてあげましょう。
少し淡白な付き合いをした方が良い関係が出来上がってくる事もあるのです。

最後にまとめると・・。
犬が人に対して咬む等(幼少期の甘噛みとは別)の問題行動が現れた場合は関係を一度リセットしていちからやり直しをします。
その時、犬を自由にしない事(ハウストレーニング)
犬を無視する事(目も合わさない・触らない)
コマンドに従った時だけ声をかけて触る
と言った行動を行うようにしましょう。悪い行動が成犬になって出てしまうと一生付き合わなくてはいけないという事もあるのです。
問題行動は早めの対処が必要となります☆自分で解決しようとせずまずはドッグトレーナーに相談すると良いでしょう。