ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.14 問題行動=悪い子ではありません

問題行動=「悪い子」という考え方をしている方が多くみられますが、必ずしも悪い行動ではなく、犬にとっては当たり前の行動であることがほとんどです。今回はその問題行動についての考え方をお話します。

子犬が家に来たときは大人しかったのに・・・成長していくうちに威嚇や吠えたり咬んだりするようになってきた・・というのはよくある問題行動です。人と生活していく上で、犬は当たり前だと思っていても人にとっては大迷惑・・ つい、焦りからか、叩いてしまったり・大声をだして威圧的になってしまったり・もしくは犬が咬んでくるので怖いからといってあまり体に触らなかったりしてしまいます。そのような事を繰り返すうちに強力な「防衛本能」が犬に沸いて出てきます。すると犬は「自分の身は自分で守ろう!!」

・・・という意識に変わってきます。

今まで出来ていた事も時には出来なくなってきてしまう・・という事も、知らず知らずの間に「防衛」が出てきてしまっている可能性もあります。「今日も大人しいから、これでいいや」ではなく、本当であれば「苦手そうな事(予備軍)」があれば大きくなってしまう前に予防が必要なのです。「今日も大人しかったから、ご褒美」という風に変えなくてはいけないのです。

1歳過ぎても、しっかりとトレーニングをすれば他の犬を見て吠えたり・うろうろして落ち着かなかったりする事がなくなってきます 特に、新しく向かい入れた子犬や生まれた赤ちゃんを一緒に可愛がろうとする行動は信頼関係があるからこそできる行動で、「やきもち」のような行動をすることもなく、家族が円満に生活ができるのです。

飼い主は急に吠えたり・咬んだりしてくる犬をみて、「自分はなめられてる、ここで逃げたら負けだ!服従させなきゃ!!」・・と思うかもしれません。

違うのです・・。

「防衛本能」がむき出しになってしまった犬は怖くて生きるか死ぬかの状態になっている事がほとんどです。フードを守ろうとするワンちゃんも同じです・・。人にごはんを取られたら、生きていけないとまで思っているのです。

特に過去になにか恐怖な事があった場合は「防衛本能」が過剰に出てきます。これは、決して悪い行動なんかではありません 悪い子ではなく、可哀そうなのです!守ってあげなくてはいけないのです。

大切なのはリーダーシップではなく犬を安心させる飼い主との信頼関係の問題になります。

このような行動が見られたら飼い主は絶対に威圧的な行動はさけて、犬の状況を理解し、その子にあわせたトレーニングをしなくてはなりません 絶対に叱ってはならないのです。時には触ることもしてはいけません。

相手がすでに身を守ろうとしているのに、威圧的になっては悪化させるだけ。「妥協する」「させない」「避ける」「違う方法で」のこの4つのトレーニングで解決することもあります。

相手がすでにヒントは自分の犬の好物をひとつ知っておくという事と、明るい口調に変える事、これでスムーズにトレーニングが進む事があります。

一番このような行動が見られるのは8ヶ月~1歳の間が要注意!「反抗期」とも言われていますので、よ~く観察することをおススメします。犬の一番のよき理解者になりましょう^^