ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.136 理想の看取り方

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先日、我が家の長老犬あずきが16歳と7ヶ月で旅立ちました。

最期は家族に全員に見守られながら、苦しむこともなく眠るようにお空に行ってくれたので、悲しみと言うより、正直ホッとしたと言ってもいいかと思います。
あずきは約1年前に腎不全の末期と診断されましたが、それから自宅にて毎日皮下補液(点滴)を行ってきました。末期と言えども、食欲もあり、歩く事もできて、トイレもしっかり決められた場所でできるほど、病状も安定しており、このまま点滴を続けていけばあと3年は生きるのかな?と密かな期待をしていたりしました。

そんな奇跡のような事は起きる事は無かったのですが、末期の状態からの1年は十分に長生きと言ってもいいかと思います。

そして、あずきの場合は亡くなる5日前から食べなくなった以外は食欲もあり、これと言った病気らしい病状はありませんでした。割としっかりしていて、食べなくなる1週間前から歩けなくなりオムツとなりましたが、排泄だけは決まったトイレでしたいようで、トイレに行こうとする意識はあったようですが、誰がお世話をしてくれているのかは殆ど朦朧としてあまり分かっていなさそうでした。

食べなくなった頃から、本格的な介護になったという感じでもあり、さほど手はかかりませんでしたが、介護のできる時間がとても幸せで、今までの感謝の恩返しのつもりで、私なりにできるだけ側にいてあげて沢山愛情を注いであげていました。
本人は目、耳、鼻も効かなくなっていたので、分かってはいなかったようでしたが、触れる感触等は分かっていたと思います。飼い主としての理想としては、出来るだけ最期は苦しまないように…愛犬の負担が少しでも減るようにするのが目標です。

今回、あずきを看取る時は息をしているのか?していないか?しか動きがなく、聴診器で心拍を確認しないと分からないほど、安らかな看取りとなりました。このような看取り方は私としては理想的で幸せな看取りであると思っています。

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若い頃はパピーパーティーのスタッフ犬として10歳頃まで活躍していました。あずきにしつけてもらったパピー達も沢山います。私はあずきの事を先生と呼んで最高のパートナーでもありました。あずきには最期の最期まで教えてもらう事ばかりで今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

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犬は人より短い寿命ですから、見送らなければいけない時が必ず来ます。その時にどう思うか?は飼い主が決める事であり、それが愛犬にとって全て正解になると私は思います。
たとえ側についていられなかったとしても、それでも愛犬は飼い主のぬくもりは忘れずに残っているはずです。飼い主の幸せは愛犬の幸せとなり、離れていても一心同体なのです。

色々な看取り方がありますが、飼い主の思う事が愛犬にとってどんな事であっても全て正解になると、私は思っています。我が家の1番の長老あずきじぃさんもきっと幸せだったはずですね。