犬にしつけと言えば、体罰や抑えつけてトレーニングする等、いけない事は絶対にダメ!と言って従わせるというのを思い浮かべるでしょう。
しかし、しつけにおいて「従わせる」のが本当に正しい信頼関係を築く事が出来るのか?答えは「NO」です。
元々犬のしつけは警察等の訓練犬から始まりました。私の子供の頃は体罰で強制する事が主流でした。
当時は方法がそれしかなかったので、犬のしつけ=「体罰・主人に従わないといけない」というのが普通だったと思います。
悲しい事に叩かない・叱らないしつけ=「甘やかし」とも思われたりもしていました。
しかし、それで成功するのかと言うと、人も犬も正直あまり良くない方向に向かう事の方が多くあったのです。
現在は体罰より、天罰。 注意する時は目を見ない。甘噛みは強制しない。トイレの失敗は叱らないというように、強制しなくとも犬との関係を崩さずに信頼関係を保ちながらしつけに取り組む事で成功しているケースの方が多いのです。
爪切りをすると咬みつく犬がいたとしましょう、そこでこの子は人をリーダーと思っていないから咬みつくのか?人に勝ちたいから?
昔であればそう思われていたかもしれません。実はこの子は、勝ちたくともリーダーになりたいとも思っていないのです。
触れる事に恐怖があり、咬みつくのです。ここで恐怖に対し恐怖でねじ伏せてしまっては、どんどん恐怖心が悪化してしまいます。
犬にとって咬みつく行動は反抗や反発なのではなく、殆どが恐怖によって出ていると言われています。
ではどのようにすればいいのか・・・?
強制をせず・触らない爪切りをします。足に触るのが怖いのであれば触らなければいいのです。
一度では決して終わらせず、少しずつ日を分けてトレーニングを行います。
足には触らず爪切りのみ動かし、カットしていきます。技術は必要になりますが、どんなに苦手な子でも恐怖心を出さずに慣れさせていく事ができるのです。
苦手は回避する事で出来るようになる事も沢山ありますし、強制したトレーニングでは関係が壊れる事がありますが、強制しないトレーニングでは解決する事の方が多くあります。
しつけないトレーニングもひとつのしつけとなりますので、固定観念は取り除き、愛犬と向き合えばきっと今まで以上により良い関係が築かれていくでしょう。