飼い主は犬のリーダーになろう!リーダーの言う事は絶対だ!と言う様に、犬と人との関係は古くから上下関係にあると言われておりました。最近では犬と人との間には主従関係と言うものは成立せず信頼関係で飼い主は優位性を築くという専門家もおります。しかし、この二つの意見はどちらも正解といえば正解。そうじゃないと言えばそうではないとも言えます。
リーダー=強い者、と一般的には思われておりますが、これは人間目線でのお話であり、犬の世界ではどうでしょうか。
「強い者」ではなく尊敬・信頼・安心できる者=「母犬」なのです。これは私個人の意見ですが実際に母犬の子育てを見ていると答えが出てきます。
暴力や強さでは子犬を教育しないのです。強さでの教育をすると子犬は恐怖を覚え、近付かなくなってしまいます。教育の際に子犬のいけない行動が現れた時(親の物を奪う・強く咬みつく等)母犬は子犬に注意の声「唸る声」を出します。そして子犬の首元に優しく歯をあてて動きを止めます。
すると子犬は「キャン」と声を出すのですが・・・。そこで母犬を嫌う訳でもなく、怖がる事もなく、このように注意されると母犬に寄り添い、母犬の側に行きおすわりをして落ち着くのです。しかしこれが人間から見ると、強さに見えるのかもしれません。
しかし、子犬の反応をみると、注意した事により信頼関係が出来上がっているのです。犬の世界ではこの母犬が出す「音・行動」が強さではなく子犬にとっての会話と信頼・安心なのです。
しかし、この方法は人間には真似ができません。真似をしてしまうと「リーダー・強さ」と履き違えてしまい失敗する恐れがあるのです。しかし、私たちが母犬として見てもらえるようになるには強さや力で教えるのではなく、子犬が理解できるタイミング・ボディーランゲージ・ご褒美が重要となるのではないかと思います。
おやつは信頼関係が失われると言っている専門家もおりますが、それも考え方次第で有効になります。人間ではないですから、行動で教える、優勢行動(良い事を伸ばす)トレーニングにはとても良いアイテムにあるのです。私はトリーツでのトレーニングはおススメしています。
オヤツがないという事を効かなくなる!?という方もおりますが、それは必要でしょうか?
ここでも人と重ねているのでは、と思いますが。人では無いのですから報酬は必要なのです。
高齢になって鼻しか利かない状態になった時にも役に立ちます。できるだけ固定観念に縛られず人ではなく「犬」という事を忘れずに付き合う事により、良い関係が築かれていくでしょう。