ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.13 構いすぎにご注意

イメージ

今回は最近増えている「分離不安や犬のヤキモチ」についてコラムを書きたいと思います。ご存知かとは思いますが、犬というのは、集団で生活する動物です。飼い主に対しても自分の群れの一部であって仲間…と言うように見ています。犬は群れでいる事が安心な動物なのです。だからといってベタベタしすぎた生活をしていると犬は人に依存してしまい余計に1人でいるのが苦手になってしまいます。例えば、家族の誰かが急に転勤などで、いなくなったり、赤ちゃんが生まれて犬を構わなくなったりしただけで、ストレスや不安に陥ってしまう事があります。ひどい場合は飼い主に「ヤキモチ」のような行動も見られ、対象物に噛みついたりする事もあります。それだけ、犬という動物は依存しやすく仲間意識が強い生き物なのです。

「なんだ~そんなに私が好きなのね!可愛いじゃない」なんて、思う方もいらっしゃいますが 依存がMAXになると、大変なことになってしまいます!子犬を迎え入れて可愛さのあまり、24時間ベタベタ触り、高いあまーい声を常にかけたり、外出から帰ってきたら「ごめんね~」とすぐに抱き上げる、もちろん、寝る時も一緒すると…どうでしょう。

留守番は飼い主の依存から寂しくて出来なくなります。外出先で友人の飼っている犬を抱き上げようとすると、飛びついてその犬に咬みついてきたり…飼い主が結婚し、旦那さんや赤ちゃんにヤキモチを妬いたり環境の変化で体調を崩したり… など… 仲間意識が強い動物なだけに、依存させてしまいますと、人間との共存においてあらゆる問題が出てきてしまうのです。

うちにいるスプリンガーのシルフィの話になりますが、この子は生後2ヶ月で我が家に来たときから人への依存がかなりありました。我が家に来る前は一般の家庭で生まれたので、その飼い主さんが可愛さのあまり片時も離れない生活を送っていたそうです。とても良いことではあるのですが、元々依存心が強い子だったので、来た時は残念ながら極度の分離不安症になっていたのです。トイレにいこうものなら、この世の終わりのような声を上げ、ケージのドアを壊し、私の所へくる程でした。この子の矯正には1年もかかり今では、すっかり克服はしましたが、環境の変化に弱いので、今は実家での生活をさせています。
シルフィの例でも、一度依存をさせてしまいますと、矯正するのにかなり時間を要します。心の病とでもいいましょうか…
ちょっとした接し方で犬は変わってしまいます。可愛いがるのもいいのですが、「過ぎ」ないように犬とのコミュニケーションを取りましょう。
「過ぎ」を気をつければいい関係がきっと出来てくるはずです。