ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.188 留守番上手にさせよう

飼い主さんと離れると鳴いて寂しがる等の行動を起こしてしまうこの問題ですが、犬の分離不安とも言われており、この行動を放置していくと、どんどんエスカレートしていき飼い主さんや犬にもかなりのストレスを与えてしまう事になります。

さて、この分離不安どうしてこのようになるのでしょうか?今回はその行動についてお話していこうと思います。分離不安になるには以下の事が考えられます。

分離不安の症状

・吠える
・破壊行動
・排泄
・ヨダレ
・震える
・呼吸が荒くなる
・手足を舐める
・毛をむしる
・爪から血が出るほど手で引っ掻く
・イライラして唸る

分離不安の原因

・親と早い時期の引き離し
・兄弟との長い生活
・子犬の頃からハウスのトレーニング不足
・子犬の頃から構いすぎる
・飼い主が犬の鳴き声に毎回反応している
・運動不足
・食事不足
・高齢による目、耳の衰え
・体調不良

と、原因も症状も様々、放っておくと犬の方も自らも傷つけてまでハウスから出ようして飼い主を追いかけたりするほど、飼い主に対する依存性も強くなってくるのです。

元々犬は単独ではなく群れで生活をしている動物なので、子犬の気持ちのまま成犬になると守ってくれる者がいないと思い込み、ひとりになるととてつもない不安を伴います。

通常であれば親離れの時期に母犬から攻撃を受けて、巣立たせていきます。母犬からまだ食事も自分でしっかり取れないうちに離されてその教育を受けれなかった子犬たちは母犬の存在は無いような物…物心がついた頃には母犬ではなく、人間が常に側にいる訳ですから、人間を頼りにしていきます。ここで、飼い主さんは子犬に親離れの教育を子犬にしなくてはいけないはずが、ベッタリとした生活となり群れから離れるのが不安な状態で育って行くのです。

母犬と生後3ヶ月頃まで育った子犬は親離れの教育も受けているので、ひとりでの生活もスムーズに行う事もできてきます。我が家では子犬が巣立つ前に必ず行っているトレーニングはこのようにしています。

イメージ

生後2ヶ月頃で引き離し、初めてひとりでのハウスに入れるとパニックになるので、安心させる為に母犬や兄弟が常に側にいる状態で教えて行かなくてはいけません。

写真のように、少しずつ時間をかけて母犬や兄弟がいる環境でトレーニングをしていきます。わざと周りに他の兄弟が遊んでいるのを見せて、出たい要求を抑えるトレーニングも行います。この時に転がさないとオヤツが出てこないオモチャやフード等を入れてハウスに入ってる子の特権を作ってあげます。

すると次第に出たい要求より、ハウスには特権があるので我慢もできるようになっていき、自分はハウスに入ってる時は美味しい物も食べれるし、休まないといけないのかな?と思うようになっていくのです。

これが我が家で子犬が巣立つ前に必ずするハウストレーニングです。初日は遠吠えしたりケージを噛んだりしてましたが、3日もすれば落ち着いてハウスで寝れるようになりました。家庭に来た子犬がこのようなトレーニングを受けずに来てしまった場合は以下の行動療法をして家庭でもトレーニングしましょう。

家庭でできるトレーニング

・鳴いたら無視、目を合わせない
・コング等のオヤツを中に入れられる知育オモチャを必ずハウスの時は利用
・あまりにもしつこい鳴き声には天罰法を
・大人しくしてたら30分毎に出して発散をしてあげる事
・出かける前にも声をかけず無視をする
・夜に寝る時はできるだけ近くで寝て注意できるようにする事
・留守番の際はテレビをつける

等、解決出来る方法も沢山ありますので、飼い主さんが強い気持ちを持ち、子犬の頃からトレーニングを徹底しておくと分離不安にならない子犬に育ちますのでトライしてみましょう。

それでも大変な様子であれば、ドッグトレーナーやしつけの専門家に相談下さい。