ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.168 首輪のすっぽ抜けを考える

先日、お客さんでお店に入ろうとした瞬間に首輪がスポン!と取れて走って逃げてしまった犬がいました。すぐに捕まり問題はなかったのですが、首輪を見るとかなり緩めている状態でつけていて、何度もすっぽ抜けては逃げてを繰り返していたそうです。

毛の多い種類の犬だったので、皮膚ではなく毛の量に合わせて着けていたようで、サイズの見直しをしていただきました。

事故は起こらなかったのでひと安心でしたが、この問題は意外にも多くあり、飼い主さんを悩ませている事なのではないかと思います。

今回はこの「すっぽ抜け」を防止する為に何を気をつけたらいいのか?どうしたら予防できるかを考えてみようと思います。

●すっぽ抜けの原因

首輪のサイズが緩めで着けていると首にこのような空間ができてしまいます。

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この空間があるととても危険で、写真の子は毛を剃っているので分かりやすいですが、ポメラニアンや柴犬、サモエドなど毛の多い種類の犬はとても分かりにくくどこまでが毛で皮膚かなかなか見分ける事ができません。気をつけるのは毛ではなく皮膚で合わせる事を意識しましょう。

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緩まっている状態で、犬が後ずさりした場合、前方にリードを引いて、金具が首の後ろにある場合はとても危険な状態です。主にすっぽ抜けの原因はこの動作による場合が多く、犬が顎を引いて後ずさりした時に抜けてしまいます。この状況をいち早く感じてリードを引くのではなく緩めてあげるとすっぽ抜けるのは回避できるのですが、自分に付いて来ない犬に対して、どうしても前に引いてしまいがちな飼い主さんが多くいるのが現実です。

●サイズをしっかり測りましょう

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緩んでいる状態で正面から見ると画像のように首の下に垂れ下がって見えます。これで前に引っ張ると気管も圧迫し、咳き込む事もあるので、飼い主さんが苦しいと勘違いしてしまい。首輪を辞めて胴輪に変えてしまう方もいるのですが、サイズと位置を気をつけてあげる事により、安全に苦しさもなく使う事ができます。

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こちらは正しいサイズで合わせた首輪の画像

首輪は垂れ下がる事もなく、顎の下の位置を保っていて、気管を刺激する事はありません。すっぽ抜けも防止できる上に苦しさも回避でき、おまけに首ではなく顎を刺激する状態となるので、飼い主さんとの信頼関係も良いものとなってきます。

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サイズとしては皮膚から計って指が2本ギリギリ入るくらいが理想となります。首輪は細いものではなくある程度の太さがある物を使用してあげましょう。トリミングをする犬種はカット前とカット後の毛の量が変わるので、間違わないように調整をしっかりするようにしましょう。

このように首輪のすっぽ抜けはちょっとしたサイズを気をつけるだけで、色々なメリットがあります。

勿論、緩めがダメだからといってギューギューなほど縮める必要はありませんので、その子に合う快適なサイズを調整してあげましょう。

ちょっとした事を意識するだけで、大きな事故も防ぐ事ができるでしょう。