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肝臓に発生する腫瘍は肝細胞由来(肝細胞腺腫、肝細胞癌、肝芽細胞腫)、胆管由来(胆管腺腫、胆管癌)、神経内分泌由来(カルチノイド)、間葉由来(血管肉腫)、転移性腫瘍などがあります。病変の広がりにより限局した腫瘍塊を作る塊状型、複数の結節を作る結節型、肝葉すべてに病変が及ぶ浸潤型に分類されます。
犬では肝細胞由来の腫瘍が最も多く、特に悪性腫瘍の中では肝細胞癌の発生が多いです。肝細胞癌は多くが塊状型で大きな腫瘍塊を形成しますが、限局していれば手術で完全切除も可能です。腫瘍の大きさや解剖学的位置により完全切除が難しい場合も大部分を切除できれば、寿命を延ばすことができます。診断には一般的なレントゲンやエコー検査も行われますが、肝臓腫瘍に対してはCT検査が最も有用で、腫瘍の発生部位や大きさ、大血管との位置関係などを正確に評価できます。