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近年、シュウ酸カルシウムによる猫の尿管結石が急増しています。結石により尿管閉塞が起こると痛みが出たり、腎盂(腎臓内)に尿が貯留し水腎症を引き起こします。左右の尿管が完全閉塞すると急性腎不全を発症し、ぐったりしたり、嘔吐などが認められます。適切な治療が行われなければ亡くなってしまいます。当院では結石の場所や尿管の状態にあわせて尿管切開・吻合手術や皮下-尿管バイパス(SUBシステム)を実施しております。
SUB system は、犬猫の尿管閉塞に対して、腎臓と膀胱を人工のチューブによりバイパスするシステムとしてアメリカで考案されました。閉塞した尿管の代わりに腎臓と膀胱を直接チューブでつなぎ、迂回路(バイパス)を作る方法です。尿はこのチューブを通り膀胱へ流れるようになります。
猫の尿管は非常に細く、正常な尿管の直径は約1mm、内径はわずか0.5mm程度と言われています。そのため、わずか数mmの結石であっても尿管に詰まってしまいます。細かい作業のため手術用顕微鏡を用いて手術を行います。