ドッグトレーナー佐々木の
しつけコラム

Vol.122 愛犬の恐怖を理解してみる

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人の性格が十人十色と言うのと同じように犬の性格も様々です。
同じ犬種だからと言って全く同じ性格ではありません。しかし、犬種特有の性質はある程度統一しているものはあります。例えば、ボーダーコリーは牧羊犬、逃げる物を追う・ハンティングポーズを取るゴールデンレトリバーは鳥猟の回収犬、咥える事が好き、泳ぐ事も得意等、一貫している本能の動作はありますが、明るい・暗い・怖がり・等の性格の違いはあります。
前回飼っていたのが柴犬で大人しかったから次の子も柴犬を迎えたけど同じかと思ったら怖がりな性格だった・・・。
という風に環境や親の遺伝子により変わってきます。
そこで愛犬に疑問を持つ方も多くいるのですが、人も様々な性格であるように、犬の様々な性格をまずは受け入れてみましょう。
子犬の1歳になるまでの性格は変わる事が多くあります。注意したいのは「怖がり」にさせない事です。
明るくて犬、人が好きで興奮しやすい性格の子は落ち着かせる事ができれば解決に繋がりますが怖がりの子は→防衛本能からの攻撃に変わってしまう事があるのです。
しかし、怖がりになってしまい、標的の物に対し防衛からの攻撃をしてしまうと言っても決して愛犬が悪い訳ではありません。何故、怖いのか?何故攻撃になってしまうのか?を考えてみました。
そこには幼少期の経験と重なる所が出てきます。生後1か月の子犬達はまだ身を守る術をしらず無力ですそんな子犬達にお面をかぶった人や聞きなれない音等聞かせてみます。
すると、大抵の子犬達は「うなる・キャンと鳴く」という動作にでます。
そして次第に母犬について歩き、色々な物を見せたり、注意したりしていくうちに動じなくなってくるのです。
しかし、その時期に親と離れて1人ぼっちになってしまった子犬はどうなるかと言いますと・・。
「情緒の成長が止まる」事となるのです。
守ってくれる親がいない、一緒にいる兄弟がいない・・・。そんな無力な状況で何が出来るかと考えると全てが敵・恐怖!そうです怖いのです。 そのまま成長してしまった子犬は、ふとした時に防衛本能にスイッチが入り「攻撃」に変わる事もあるのです。
そんな時、愛犬を責めてしまう気持ちは分かりますが、恐怖に更に怖さを追加してしまうと完全に頼る物がなくなってしまいます。身体は大人の犬でも中身は生後一か月の子犬・・・。
大人になってしまったからと言っても何故そうなってしまうか?
を考えてみると、犬との関係がより近くなるではないかと思います。
触られる事を怖がってても、犬、人を見て怖がって吠えても、必ず理由があるのです。
行動・心理を理解してみると愛犬の最高のパートナーとなるでしょう。