ワラビーリポート
2012年 第59回ハワイ獣医師年次大会に参加して

開催地:アメリカ ハワイ州オアフ島 パシフィックビーチホテル

開催期間:2012/11/7〜11/13

参加スタッフ:足立奈穂 中嶋明日香 古川絵里佳 吉水光

はじめに

 2012年11月7日から13日にハワイ州オアフ島で、第59回ハワイ獣医師年次大会が開催されました。ワラビーグループからは上記4名が参加し、シェルターや現地の動物病院を見学し、アメリカのペットを取り巻く環境について学んできましたのでレポートを報告させて頂きます。

どうぶつ園通りの動物病院 足立奈穂

Hawaiian Humane Society
 Hawaiian Humane Society(ハワイ動物愛護協会)は1897年に創設され、人と動物の絆を育むために、様々な活動を行っています。24時間あらゆる動物を受け入れ、約100名のスタッフが動物のケアに当たっています。 保護された動物たちは獣医師による健康診断、治療、去勢避妊手術などを受け、新しい飼い主が迎えにくるのを待っています。また、個体ごとにマイクロチップが挿入され、譲渡後の動物たちの情報も把握できる仕組みになっています。 また、ハワイにはペットショップが少なく、この施設から動物を譲り受ける人が多いのです。2011年には約8000頭が里子に出されました。
 実際に施設に入ってみると、多くの動物がいるとは思えないほど清潔で明るく、消毒も徹底されていました。犬猫をはじめ、ウサギ、フェレット、モルモットなどの小動物もたくさんいました。敷地内の広大なドッグランは無料開放されており、保護されている犬もそうでない犬も自由に遊ぶことができるようになっていました。また、何匹もの猫がいる部屋にはキャットタワーやクッションなんどが置かれ、人が入って実際に猫と触れ合うことができるようになっていました。まるで猫カフェのような空間でした。 ハワイでは多くの人が動物愛護に関心を持ち、島全体で小さな命を守るよう協力し合っていることがわかりました。日本ではペットブームにより盛んに生体の売買が行われており、その裏ではたくさんの命が犠牲になっています。動物を飼育するには、最後まで見守る強い意思が必要だと改めて感じました。
VCA Family Hospital
 VCA Family Hospitalに入ると、まず広々とした待合室があり多くのフードとペット用品が並べられていました。奥には4つの診察室、手術室、入院ケージなどがあり、日本の大学病院と雰囲気がよく似ていました。二次病院としての日本の大学病院とは異なり、ここはワクチン接種やフィラリアの予防なども行う一次病院としての役割を担っているとのことでした。また、欧米では予後の厳しい動物に対して安楽死を選択する飼い主さんが多く、特別に安楽死を行う部屋が用意されていました。温かみのある個室で飼い主さんも動物も落ち着くことにできる空間だと思いました。  短い時間ではありましたが、海外の動物病院を見学し、獣医師の話を聞くことができ、良い経験になりました。 最後にこのような海外での貴重な経験をさせていただくことができたことに深く感謝いたします。

ワラビー動物病院 中嶋明日香

Hawaiin Humane Society
シェルターといっても犬舎、ドックラン、治療のスペースなど日本のものとは違い規模も設備も大きく、収容される動物もこの施設だけで年間で3万頭とケタ違いです。スタッフの数は決して多くはないけれどボランティアの方も含め、保護された少しでも多くの動物が新しい家を見つけられるよう、ここでは避妊・去勢はもちろんマイクロチップの挿入もしており、場合によっては家庭犬になるための訓練も行いながら面倒を見ています。  数多くの動物が収容されているこの施設ですが、きちんと1頭1頭の部屋にプレートが付いておりその個体の性別、性格など細かく記してありました。また犬舎自体もたくさんの動物がいるのに、臭いもなく動物だけではなく施設の管理までかなり高いレベルで維持されていました。まだまだ収容頭数は激減とまではいかないようですが、貰い手が見つからなくても生涯の面倒を見てもらうことができたりと、少なくとも日本よりも不幸な人生を送る動物は減ってきているのだと感じました。
VCA Animal Hospital
 ここは24時間体制の病院でした。最近改装したらしく待合室はコンビニよりも広く大型犬が寝そべっていても誰の邪魔にもならないくらいです。診察室もたくさんあり、あり得ないほど広い処置室、犬舎、検査室…すべてがびっくりでした。
 そこで印象的だったのが、一番奥の小さな部屋です。そこにはもう死を待つことしかできない入院の子が数頭いました。やはり海外は日本よりも「この子がこれ以上苦しまないために…」と安楽死を決断する方も多いようです。けれどその部屋は亡くなってしまった子や、これから旅立とうとする子と最後に“家族“の時間を過ごすための部屋でした。小さい部屋だけれどベッドがあり、そこで一緒に寝たり、抱いてあげたり、話をしてあげあたり…
 最後にそんな素敵な時間を過ごせる部屋が動物病院にあるなんて私は考えもしなかったけれど、そんな心遣いで少しだけだとしても心が軽くなるオーナー様が沢山いるのではないかなと感じました。

ワラビー動物病院 古川絵里佳

VCA Animal Hospitalを見学して
 VCAは24時間365日体制の動物病院です。病院は大変広く、ゆとりのある造りでしたが、病院内はどこを見ても非常に衛生的でした。また、スタッフはみんな明るく前向きに仕事をしており、非常にあたたかい雰囲気の病院でした。
 VCAの中は施設・設備が非常に充実していましたが、中でも印象的だったのは安楽死を行う部屋があったことです。部屋の中にはソファーがあり、穏やかな空間づくりがされていました。アメリカでは日本よりも安楽死を行うことが多いですが、最期の時を飼い主さんもペットも安心して迎えられるような心遣いを感じ、獣医師として考えさせられるものがありました。私達も、皆さんが安心し、気持ちよくいらっしゃれる動物病院にするため、きめ細やかな気配りを忘れないようにしていこうと思います。
Hawaiian Human Society

 Hawaiian Human Societyは州からの援助、民間からの寄付を受けて運営されている動物保護施設で、100年以上も前から活動を続けているそうです。
 年間3万頭近くの動物が施設に保護され、そのうち昨年は8千頭が新しい家族の元へ受け入れられたとのことでした。犬、猫だけでなく種類に関係なく動物の受け入れがされており、私達が見学した際もウサギやインコなどもたくさん保護されていました。
 施設内は非常に広大で、たくさんの動物がいるにも関わらず、衛生管理、予防や投薬、更には毎日の散歩など動物の健康、精神面の管理が徹底されており、施設スタッフの動物への愛情深さと熱意を感じました。
 残念ながら日本ではこのような体制が整っておらず、殺処分されてしまう動物が後を絶ちませんが、日本でもこうした体制が少しでも整うように、自分に出来ることは些細なことからでも協力していきたいと思います。

 最後に、このような貴重な体験をする機会を作ってくださった溝口代表をはじめ、病院スタッフの皆さんに心から感謝致します。ありがとうございました。

どうぶつ園通りの動物病院 吉水光

Hawaiin Humane Society

 Hawaiian human society を見学させて頂きました。この施設は1897年に創設され、人と動物との良い関係性、絆を大事にしておりボランティアスタッフ約100名と5億円の寄付金によって運営されていました。

年に約3万の動物達が保護され8000件は引き取られ、残った動物達は長くて1年間は施設で生活し若い動物で通常、$65これはマイクロチップ、健康診断避妊去勢手術などをしてくれた上での金額で売られていました。

通路には寄付者の名前のかかれた食器が壁にかけてあり、その数は数えきれない程でした。施設は年中無休24時間あいており、犬、猫、小動物など多くの動物達がいつでも受け入れられるようになっていました。
 保護された犬用のケージは畳約2畳分の広さで寝床は一段高くなっており床で寝て、病気に感染しないようにと気遣われており、広々としたドッグランもありました。猫はcathouseという小さな家に住みやすそうな環境で生活していました。

 日本との保護環境の違いに驚きました。動物に対しての愛護の精神が根付いているような国でした。日本も、多すぎるペットの繁殖、販売を減らし不幸な動物達が少しでも減る活動が増える事を願いたいです。

VCA Animal Hospital
 vca family hospitalも24時間受け入れをしており、受付には常に5、6人のスタッフがおり医師も3、4人は常時していて毎日多くの動物達が来院するそうです。院内には何カ所もの消毒液があり、監視カメラも設置されて安全が守られていました。手術後に安静を保てるように手術後専用の部屋もあり環境もきちんと整えられていました。
 安楽死の部屋もありオーナーと動物が最後の時をゆっくりと過ごせるようにベッドやテレビなども置いてあり色々な面での配慮がされておりました。  日本との違いが知れました。これからはよりペットとオーナーさんの気持ちを考えて接していこうと努力します。