ワラビーリポート
2010年 第57回ハワイ獣医師年次大会に参加して

開催地:アメリカ ハワイ州オアフ島 パシフィックビーチホテル

開催期間:2010/11/12~11/14

参加スタッフ:佐藤恵 曽野文雄 田谷内絵梨 長峯栄路 長谷地愛美  溝口俊太

はじめに

 2010年11月12日から14日にハワイ州オアフ島で、第56回ハワイ獣医師年次大会が開催されました。ワラビーグループからは上記6名が参加し、シェルターや現地の動物病院を見学し、アメリカのペットを取り巻く環境について学んできました。参加したメンバーのレポートを報告させて頂きます。

ワラビー動物病院 曽野 文雄

【Hawaiin Humane Societyを見学して】
 施設のゲートを通ってまず最初に目を奪われたのが食器で埋め尽くされた壁です。こちらのシェルターはそのほとんどが寄付で運営されているのですが、寄付者の名前がこのように壁一面の食器の裏に記載されていました。とかく悲壮感の漂う施設ですが、このような演出はお洒落でしたし、これから新しい家族の元で美味しい物を沢山食べて幸せになって欲しいという願いが込められているような気がしてとても温かい気持ちになりました。その後、施設の理念および運営に関するレクチャーを拝聴しました。実に多くのボランティアが一頭の犬・猫の新しい門出のために本気で従事していて、その純粋なホスピタリティ精神に感動しました。一部の人間だけでなく地域の人間全てに同じ精神が宿っていて、人としてのスケールの大きさ・心のゆとりが感じられました。たとえ里親が見つからなくても施設で一生面倒をみる体制が整っていて、動物愛護の理念が深く浸透していました。広いドッグランや里親候補との面会所など、とても開放的な施設には希望と夢がつまっていました。
【VCA Animal Hospitalを見学して】
 病院そのものの規模もそうですが、受付がとても広くて人間の病院のようでした。院内は清潔感が漂い、そこで働くスタッフも皆とても気さくで笑顔が絶えず楽しそうに仕事をしていました。とても雰囲気が良かったです。診察室はプライバシーに配慮したシンプルな個室でした。ソファもあって、その気になればじっくり話し合えるつくりでした。日本では中々お目にかかれない、獣医専用の部屋もありました。一人一人に机と棚があり、本や資料を広げられるスペースが確保されていました。
 パソコン・電話・プリンターもあり、機能的な仕事部屋となっていました。一部屋ごとに十分なスペースがあるからかもしれませんが、とても整理整頓の行き届いたきれいな病院という印象をうけました。 また、空間的なゆとりが病院そのものの雰囲気を作り上げているのか、とても落ち着いた雰囲気を感じました。全ての方に気持ち良くワラビー動物病院を訪れていただけ < る様に整理整頓に努めなければと思いました。獣医としての心構えや、生き方について深く考えさせられる刺激に満ちたハワイ研修旅行でした。 このたびのハワイ研修を通じて現地の方々の動物愛護の精神に触れる機会を与えて下さいました溝口代表、スタッフの皆様に改めて感謝致します。
ワラビー動物病院 曽野 文雄

はとがや動物病院 佐藤 恵 溝口 俊太

【2010年 57回ハワイ年次大会に参加して】
 今回、動物の保護シェルターである「Hawian Human Society」と24時間年中無休で診療を行っている、「VCA Animal Hospital」を見学させていただきました。私達が特に衝撃を受けたのは動物保護シェルターの「Hawian Human Society」でした。 この保護シェルターは国営ではないものの、州から毎年寄付を受けており、民間の方からの援助、積極的なボランティアさんによって運営されています。24時間どんな状態の動物でも受け入れ、医学的サポート、しつけ、問題行動の改善などの斡旋をしているそうです。 シェルターで保護された動物たちは避妊・去勢を行い、里親さんが見つかるまでの期間、ボランティアさんによって1日2回の散歩、トレーナーさんによって週2~3回のしつけ、問題行動のトレーニングをするそうです。また、シェルターには広いドッグランがあり、楽しそうに遊ぶわんちゃん達を見ることができました。そして、人慣れしてきた猫ちゃんはお部屋でまったりと里親さん候補の方とくつろいでいました。っても動物に対する愛情は変わらないことに安心しつつ、貴重な経験をさせていただいたことに感謝します。今後の活動がよりよいものになるよう願ってやみません。
 とても驚いたのは、里親さんがみつかるまでの間、ずっとシェルターにとどまるわけではなく、登録されているボランティアさんのおうちで預かってもらい、たっぷり・たくさんの愛情を受ける事ができるという点です。そんなケアを受けた動物たちは2009年には約6000頭新しい家族がみつかりました。 また、迷子動物の飼い主さんをみつける活動もしており、写真や情報をインターネットに掲載などして、2009年には約2700頭の動物が家族と再会できたとの事です。スタッフの方々はみんな笑顔で動物と接していて、「このシェルターに来た子は必ず新しい家族を見つける!」という強い熱意がありました。
 今回、講義と見学をさせていただいて感じた事は、やはり動物愛護に対する日本と他国の違いでした。日本では、このような施設は少なく、人々の意識もまだうすいように感じてしまいます。また衝撃的なデータがありました。
はとがや動物病院 佐藤 恵 溝口 俊太

どうぶつ園通り動物病院 長峯 栄路 長谷地 愛美 田谷内 絵梨

【Hawaiin Humane Societyを見学して】
 はじめに、動物の保護シェルターであるHawaiin Humane Societyについての講演と施設の見学をさせて頂きました。この施設では、動物の健康状態・年齢にかかわらず、 様々な理由で捨てられた動物や迷い犬・猫などシェルターを必要とする全ての動物たちを対象に活動しています。24時間体制で動物の受け入れを行い、治療が必要であれば常勤している獣医師による医学的サポートも施されます。また問題行動などで躾が必要な動物に対しては、ボランティアのドックトレーナーによって、一般の家庭に迎えられても支障がないように躾されています。また、迷子の飼い主の捜索や保護した動物の引き取られ先を斡旋するのもシェルターの重要な仕事の一つで、迷子の動物の写真や引き取られる準備のできた動物たちの写真がインターネットや新聞に掲載され、誰にでも簡単に常時検索できるようになっています。2009年には6000匹の動物たちが新しい家族に迎えられ、大半の動物達が6ヶ月程で里親が見つかりシェルターを出て行くそうですが、残念ながらその約1割は躾や環境の問題でシェルターに戻ってきてしまうそうです。さらに、望まれない命を少しでも少なくするため、保護動物の去勢手術をほぼ無償で行っています。
【VCA Animal Hospitalを見学して】
訪れた動物病院は、本土にも同じ系列の病院を展開する大きな病院でした。24時間年中無休で診療を行っており、それに比例して獣医師や看護師、受付スタッフの人数も多く、待ち合い室は診察を待つ飼い主様と動物たちで活気に溢れていました。  診察室は4部屋あり、一部屋ずつ個室になっており、獣医師と飼い主様が落ち着いてゆっくり話せる空間になっていました。
 処置室では見慣れた薬品や日本では使われていない薬品まで、大きな棚に整理・保管されており、獣医師が患畜に投薬する準備をしていました。処置室に隣接して、犬舎や猫舎が広く並べられており、入院中の動物たちが治療を受けていました。
 他にもレントゲン室・超音波検査室・手術室・スタッフルームなども広く整備され、大学病院並みの設備と広さに驚きました。 獣医師の中に日本人の先生もいらっしゃると聞き、国を超えて活躍している先生に少し憧れも感じちゃいました。もう少し診療内容などのお話ができればと思ったのですが、時間的な面と自分の英語能力の限界を感じ、断念せざるを得ませんでした。しかし、少しでも日本と世界の獣医療の違いを肌で感じることができ、とても有意義な経験をさせて頂きました。
どうぶつ園通り動物病院 長峯 栄路 長谷地 愛美 田谷内 絵梨