翔ちゃん先生の一言コラム
栄養素の話(蛋白質 〜その2〜)

蛋白質 〜その2〜

ドッグフード原料に含まれる蛋白質の生物価を示します。

season4_vol5の表

表からなにに気がつかれましたか。まず、「へえ~、卵って消化・吸収した蛋白質をすべて利用できるんだ。効率がいいんだ」、それから「植物性の蛋白質の生物価は、動物性よりも低いんだ」でしょうか。

鶏卵は最も生物価が高い(=品質の高い)原料です。かといって、卵だけを蛋白源としてはいけません。鶏卵蛋白質を17.5%含む食事は、子犬の成長に必要なアルギニンの量を満たしますが、アルギニン以外の必須アミノ酸が過剰になります。あるアミノ酸の過剰摂取では欠乏と同様の弊害が起こることがあります。子犬の成長のためと考えて、鶏卵由来の蛋白質だけを与えると、他のアミノ酸が過剰となり逆に成長を低下させることだってあります。
よく「いろんな食材からバランスよく栄養を取らなければならない」といいますが、犬族でも同様です。

既に“はじめに”の項に記載しましたが、市販のドッグフード中の蛋白質は、動物性と植物性から構成されています。両蛋白質の割合の問題になりますが、動物性蛋白質が多ければ、生物価は比較的高く、蛋白質含量は低くて済みます。動物性蛋白質にはすべての必須アミノ酸が含まれていますが(といっても各必須アミノ酸の含有量は原料に依存しています)、穀類の蛋白質は一部のアミノ酸、特にリジン、メチオニン、ロイシン、トリプトファンの含有量が少ないようです。ここでもほどよいバランスが要求されます。

犬が必要とする食事中の最低蛋白質含量(%)は、もし蛋白質の消化率が100%、生物価も100であれば、成犬で4%、子犬で11%です。実際にはそれはありえません。通常のドッグフードでは、成犬で18%、子犬で29%といわれています。なお、当然ながら、成長期、妊娠・授乳期は蛋白質要求量が多くなりますので、これら時期のフードは蛋白質含量が高くなります。

蛋白質を過剰に摂取した場合、余剰の蛋白質(アミノ酸)はエネルギーに利用されます。エネルギーも十分な場合はグリコーゲンまたは脂肪に転換されて体内に蓄積されます。蛋白質から分離されたアンモニアは、肝臓で尿素あるいは窒素性廃棄物に転換され、腎臓からおしっことして排泄されます。窒素性廃棄物があまりにも多いと処理できず体内に蓄積してしまいます。賢明な読者の方々はもうお気づきですね、過剰な蛋白質摂取は腎臓に負担をかけ、ついには腎臓の劣化、腎不全を招いてしまいます。犬=肉(蛋白質)という単純な考えではダメなのです。

蛋白質不足もよくありません。発育遅延、体重減少、生体機能の低下を招きます。被毛の発育も悪く、見た目も悪くなります。低品質のドッグフードを使用したり、炭水化物の多い食事(相対的に蛋白質不足)を与えたりした場合に起こることがあります。