翔ちゃん先生の一言コラム
「食事の話」の付録
● 付録3(栄養学的アプローチが可能な疾患)

 シーズンⅣ「食事の話」も最終回になりました。これまで取り上げてはいませんが、栄養学的アプローチが可能な疾患について追加解説します。飼主さんができそうな方法だけを記載します。ひどいときには動物病院での診療が必要です。


① 貧血
 貧血では赤血球生成を加速させなければなりません。十分な栄養を与える必要があります。貧血が改善されるまでは成長期用のフードに替えます。ビタミン、ミネラルも必要です。手っ取り早い方法は、生のレバーを成長期用フードに追加することです。生レバーには赤血球生成に重要な栄養素の大部分が含まれています。ただし与え過ぎは禁物です。


② 抗生物質療法中は・・
 抗生物質を経口投与している犬では、腸内細菌が壊されることがあります。その結果、腸内細菌が産生しているビタミンが不足します。ビタミンB群を補給しなければなりません。通常の食事に、整腸剤(エビ○○とか)を与えるといいようです。  


③ 便秘
 腸内容の量を増やし、収縮力を増して、大腸内に水分が十分に保持できるようにします。そのために、低脂肪・高繊維質のフードを与え、新鮮な水がいつでも飲めるようにしておきます。食後30~60分してちょっとした運動をさせることは排便を促します。便秘を起こしがちな骨、羽毛、皮革、その他異物を食べないように注意し、排便の障害になるような外傷があれば治療をしなければなりません。  


④ ストレス
 寒冷・高温気候、各種作業(ドッグショー出場、警備、盲導など)でストレスを受ける環境下にある場合は、高カロリーで高嗜好性のフードを与えます。ただし栄養バランスには要注意です。缶詰フードを利用したり、ドライフードに温湯をかけたりして、嗜好性を高めます。  


⑤ 発熱
 体温が上昇すると代謝エネルギーがよけいに必要になります。エネルギーを補填しなければなりません。高蛋白・高エネルギーのフードを与えたり、食事の量を多めにしたりします。熱があると食欲も落ちます。嗜好性を高めることも必要です。


⑥ 膨満
 消化管内にガスが異常発生した状態が膨満です。ガス発生を促進するフード(豆類、ジャガイモ、乳製品など)を避け、消化のよい低蛋白フードが推奨されます。ただし、ガス発生の原因となる食物については犬によって著しい個体差があるようです。例えば、ジャガイモを制限することで改善される犬もいれば、そうでない犬もいるということです。
 興奮して食べると、同時に空気も飲み込んでしまいます。これが膨満の原因になります。食事は1日に3回以上に分けて、静かな環境で与えましょう。また、平らな皿で与えると空気を飲み込むことが少ないそうです。  

                 

⑦ 骨折
 破壊された骨を再生させるようにしなければなりません。かといって、カルシウム・リンなどをむやみに添加することは逆効果になる場合があります。ギブスが取れるまで、あるいは完全に治癒するまで、成長期用フードを与えることが推奨されています。


⑧ 消化管の手術
 食道・胃の手術後は高消化率の缶詰フードに水を加えてポタージュ状にしたものを与えます。それも1日に3~6回、少量ずつです。その後、数日かけて水の量を減らしていきます。手術後2~3週間したら、徐々に普通の食事に切り替えていきます。
 腸の手術後は、腸が動き始めて高消化率のフードに水を混合し、1日に4~6回、少量ずつ分け与えます。

※この回をもちまして、「翔ちゃん先生の一言コラム」は終了いたします。
これまでご愛読いただき、誠にありがとうございました。