爪に異常があると、歩様がおかしかったり、爪を舐めたりします。このようなことが観察されると、飼主さんは、外傷がないか、とげが刺さっていないか、肉球はどうか、指の間はどうか・・などは調べますが、爪まで調べることは少ないようです。爪も調査対象に加えましょう。爪(あるいはその周囲)に、痛み、腫れ、赤み、滲出液、変形、脱落などが認められることもあります。
「爪の異常」の原因として、爪周囲炎、爪真菌症、爪縦裂症、爪脱落症、爪形成不全などがあります。
爪の異常が一つの爪に見られた場合の多くは外傷が原因です。多数の爪に異常が見られるときは全身性疾患を疑う必要があります。また、免疫病が原因のときは爪だけではなく、皮膚病を伴うことが多いようです。
原因によって治療法は異なります。爪の異常の代表選手である感染症が原因のときは、抗生物質、抗真菌剤などが投与されます。重症のときは爪を切除する手術も必要です。真菌症は治癒し難い病気です。気長に対応せざるを得ません。また使用される薬剤によっては嘔吐・下痢などの副作用を認めることもあります。