どうぶつ園通りの動物病院は北海道旭川市にある動物病院です。年中無休で診療をおこなっています。旭川市にあるどうぶつ園通りの動物病院はチーム医療による良質な診療サービスと豊富な手術実績で飼い主様に確かな安心をお届けしています。
手術について
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整形外科 症例
どうぶつ園通りの動物病院ではAO/ASIFの原則に則り、骨折整復の手術をしております。
※AO / ASIFとは、骨折整復治療の研究やインプラントの開発をおこなっている機関です(本部:スイス)。
AO法では「受傷肢の完全機能回復」を理念としており、当院ではその整復技術を積極的に修得して手術を行っています。
【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。
 あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。
脊椎骨折■ 種類 : 柴犬 ■ 年齢 : 8ヶ月齢 ■ 原因 : 交通事故
脊椎骨折とは?
脊椎骨折は交通事故などの急激な強い力により引き起こされることが多い骨折です。怪我をした際に動くことで脊髄へのダメージが更に大きくなる場合があるので、搬送するときはできるだけ動かさないようにすることが大切です。
先ほど家のまえで車にはねられたとのことで8ヶ月の柴犬が運ばれてきました。
エマージェンシーです。
酸素をかがせながらバイタルサインをチェックしていきます。
落ち着いたところで、酸素吸入をしながら胸部のレントゲンと腹部の超音波検査をいたします。胸部レントゲンでは、肺挫傷(肺出血、肺の破裂が起きた状態)、気胸(肺から空気が漏れて胸腔にたまっている状態)があります。
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腹部超音波検査では、脾臓破裂や膀胱破裂などの緊急手術が必要な状況に無いことがわかりました。ただし、第12-13胸椎の骨折、第4腰椎の骨折、骨盤骨折もおこしています。
とくに第12-13胸椎の骨折は変位がはげしく胸椎に腰椎が乗り上げるような格好になっています。レントゲン上で脊椎管のずれが100%以上あり、来院時に後肢の深部痛覚がありませんでしたから脊髄が完全に断裂していることが考えられました。
しばらくICUで点滴と酸素吸入をしていくことになりました。
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第12-13胸椎の骨折はかなり動揺がはげしく、今後お家にお返しをしたあとでの管理が大変であることから、状態が安定化した段階で、脊椎を固定する手術をすることを計画いたしました。
5日目になると肺挫傷や気胸は改善し、体調はかなりよくなりましたので計画通り手術をいたしました。
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写真左:
背側を切開していきますとやはり胸椎に腰椎が乗り上げています。(左が胸椎、右が腰椎)

写真右:
脊椎を露出できた段階で段端を合わせ整復していきます。脊髄は完全に断裂し、頭側と尾側の脊柱管断端に脊髄はみられませんでした。
Cアームで確認しながら脊椎の関節がしっかり合わさっていることを確認します。

写真左下:
次にプレートを当てる部分をマイクロエンジンでバーリング(削って平らにしプレートを設置しやすくすること)をしていきます。
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リコンストラクションプレートを脊椎の形に3次元的にベンディング(曲げること)し、スクリューでとめます。
かなり動きのある子だったので強固な固定をしたくて棘突起にアリゲータープレートをかませて固定しました。
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術後のレントゲン写真です。乗り上げた脊椎は正しい位置に整復され自然な湾曲を保っています。棘突起のアリゲータープレートは変位の少ないだい4-5腰椎までかませて同時に固定しております。
MLK(モルヒネ、ケタミン、リドカイン)鎮痛もよく効いており、とても安定した麻酔管理、術後管理ができました。歩けるようにはなっていませんが、排尿排便が介助無く出来て、とっても元気に退院していってくれました。
コルセットをつけてお返しをしておりますが、骨折部が安定したら車いすで歩けるようにしていく予定です。
脊髄の断裂した子では難しいと言われていますが、脊髄歩行の可能性もあるのでリハビリは行います。

交通事故でこれだけの損傷がありながら生きているのは奇跡としかいいようがありません。この仕事をしていると時々こういう奇跡に遭遇することがあります。動物の生命力を感じます。