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手術について
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神経外科 症例
ミニへミラミネクトミー ■ 種類 : ミニチュアダックス ■ 年齢 : 8歳齢
ミニへミラミネクトミーとは?
ミニヘミラミネクトミーとは胸腰部の椎間板ヘルニアのときに行う手術の一つです。
【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。
 あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。
 
昨日からあまり歩きたがらず、今朝ゲージから這ってでてきたとのことで診察いたしました。

身体検査所見は、

姿勢反応 両後肢欠損
脊髄反射 両後肢UMNS
浅部痛覚 両後肢「1」〜「2」

レントゲン写真です。
腰椎が8個(通常は7個です)
T13-L1 L1-2:椎間狭小化
L2-3:変形性脊椎症、椎間狭小化、
    椎間不透過性上昇
L8-S1: 椎間狭窄

鑑別診断リストは、
・椎間板ヘルニア ・椎間板脊椎炎 ・変形性脊椎症 ・脊椎亜脱臼 不安定症 
・その他 脊髄腫瘍、脊髄梗塞・・・です。
椎間板へルニアが第一に考えられますが、レントゲンのL2-3の所見から椎間板脊椎炎も考えられると判断いたしました。 椎間板脊椎炎は椎間板の細菌感染がおこる状態です。
二日ほど内科治療を試みましたが症状の改善が認められず脊髄造影・外科手術を計画いたしました。
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脊髄造影の画像です。
DV像です。

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ラテラル像です。

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浅斜位像です。

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深斜位像です。

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動的撮影です。
屈曲位です。

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伸展位です。

所見です。
L1-2 椎間板ヘルニア: 右側やや頭側より逸脱
L2-3 伸展位でやや腹側からの圧迫があるか・・

手術計画は、
・L1-2 右側よりミニヘミラミネクトミー
・L2-3 椎間板の培養生検
・場合によりL2-3 のspondylosis(脊椎症)の背側(脊柱管の床部)をミニヘミラミネクトミーをしてバーリング

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ミニヘミラミネクトミーは胸腰部の椎間板ヘルニアのときに行う手術の一つです。通常の手術であるヘミラミネクトミー(片側椎弓切除術)では、
左の写真の前後関節突起をロンジュールで削りとりますが、ミニヘミラミネクトミーではこの突起を残してその下を削り、逸脱した椎間板物質にアプローチします。
この術式ですと術後の不安定性の心配が少ないといえます。
この子の場合、L2-3にあれだけはっきりした変形性脊椎症があるということは、その部分に少し不安定性があると考えられましたので、より心配の少ない術式を選びました。デメリットは視野が狭くなるので椎間板物質を取り除くときにコツが必要です。
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写真が見づらいですが
椎間板物質をキャッチしているところです。

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椎間板物質を取り除いた後、椎間板物質の生検をします。
嫌気培養の検査結果は陰性でした。
かなりしっかりと椎間板物質が摘出できましたので
閉創してオペ終了としました。
術後3日目ではかなり歩行できるようになっていました。
飼い主様にも喜んでいただきました。
胸腰部椎間板ヘルニア手術の不安定性については以下の報告があります。
広範囲の片側椎弓切除術は回復率には影響しないようだが、手術部位の可動性を増加させる。(Corse et al.,2002)。このことは、いくらかの犬において、遷延して臨床徴候に影響を与える事がある(Anderson et al.,1991;Grevel and Schwartau,1997;)
慢性の椎間板ヘルニアあるいは大型犬における造窓術では、不安定性を生じる。(Shires et al.,1991)
関節突起の除去を伴う背側椎弓切除術では、不安定性が顕著に増加する(Smith and Walter1988;Shires et al.,1991)

今回の子も通常のヘミラミネクトミーでも椎間板物質はとれて、不安定性もでなかった可能性もありますが、
今後もより侵襲の少ない方法を考えていきたいと思いました。