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手術について
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神経外科 症例
ネコの椎間板ヘルニア(ヘミラミネクトミー) ■ 年齢 : 10歳齢
ヘミラミネクトミーとは?
脊髄を圧迫している椎間板突出物質を除去するために用いられる手術(片側椎弓切除術)です。
胸腰椎の椎間板ヘルニアの外科治療に一般的に選択される手術法です。
【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。
 あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。
10歳の猫ちゃんが後ろ足を引きずるとのことで他院からのご紹介で診させて頂きました。
聴診、レントゲン、超音波検査をホームドクターさんにして頂き、肥大型心筋症による血栓症は否定的とのことでした。
猫ちゃんの後ろ足を引きずるという症状は、肥大型心筋症による血栓症と鑑別しなければいけません。
治療が全く異なるからです。血栓症のときは後肢が冷たく血流がない状態になります。

所見です。
姿勢反応は両後肢深部痛覚なし(前日までは片足の深部痛覚はあったようです。)
L4(第4腰椎)付近で腰部垂直圧痛がありました。

飼い主様には椎間板ヘルニアグレード5の可能性をお伝えし、当日は内科治療をさせて頂きました。
ケージレスト(ケージのなかで安静にしていること)をお伝えし、次の日に診させて頂くことにしました。

次の日に診させて頂くと前の日と変わらず全く改善がみられませんでした。
飼い主様とご相談し、麻酔をかけて脊髄造影と手術をすることになりました。ただし、深部痛覚がなくなってから2日以上経過しているので、思うように回復しない可能性もお伝えしました。

単純レントゲン検査です。
L2-L3(第2第3腰椎間)、L3-L4(第3第4腰椎間)の椎間板に不透過性亢進像あり(※赤く囲んだところ)。椎間板の髄核(椎間板の中心部分)の石灰化像があります。

脊髄造影検査です。
この子は腰椎が6個しかありません(通常は7個あります)。
第5-6椎間のくも膜下腔から造影剤を入れます。
当院では造影剤を入れた後、合計6照射撮影します。
様々な角度から撮影しますと脊髄を圧迫している像を見逃すことがありません。
この子は第3第4腰椎間を右側から脊髄がかなり押されている像がみられます。

手術は第3第4腰椎間のヘミラミネクトミーを行いました。
脊髄造影の画像のとおり、かなり大量に椎間板物質がとれました。
下の写真のピンセットでつまんでいる物と右上のガーゼの上にある物が椎間板物質です。

猫ちゃんの椎間板ヘルニアで手術になる症例は珍しく、術後の経過に不安がありました。
ところが、次の日には深部痛覚がでて、2日目には浅部痛覚がでて片足で歩行をするようになり、3日目にはかなりしっかり歩行するようになりました。
10日後の抜糸のときには姿勢反応は全て正常で元気よく歩いていました。
驚異的な回復力で飼い主様にも大変喜んで頂きました。

猫ちゃんの回復力にはたまに驚かされることがあります。